米国株式相場はまちまち。ダウ平均は39.44ドル高の23515.26ドル、ナスダックは0.63ポイント安の8494.75ポイントで取引を終了した。原油価格の反発や日銀が追加緩和を検討しているとの報道を好感し、買いが先行。その後、最も期待されているギリヤドサイエンスの抗ウイルス剤第1回目の治験が失敗したと一部メディアが報じると失望感から引けにかけて失速した。セクター別ではエネルギーや運輸が大きく上昇した一方、公益事業や保険が下落。

原油価格の反発を受けて、石油大手エクソン(XOM)やシェブロン(CVX)は上昇。カジノホテル運営のラスベガスサンズ(LVS)は、マカオの急速な回復やJPモルガンによる投資判断・目標株価引き上げが好感され上昇。オンライン小売のアマゾン(AMZN)は、ゴールドマンの投資判断・目標株価引き上げで上昇した。一方で、製薬会社大手のバイオジェン(BIIB)は、シティグループによる投資判断引き下げが嫌気され下落。ギリヤドサイエンス(GILD)は、抗ウイルス剤「レムデシビル」の中国での新型コロナ治験初回が失敗したと英FTが報じ急落した。

治験失敗との報道に対してギリヤドは声明を発表し、「世界保健機関(WHO)が誤ってウェブ上に中国の治験情報を時期尚早に公表したことは遺憾であり、不適切だ」と強調した。「レムデシビル」の治験は米国でも重篤な患者と比較的軽症の患者に分けて実施されており、その結果を見極めたい。

Horiko Capital Management LLC



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NY株式:NYダウ39ドル高、原油高や日銀の追加緩和観測で投資家心理改善