8日の欧米外為市場では、ドル・円は底堅い値動きを予想したい。米NY州での新型コロナウイルスによる死者数の増加が嫌気される見通し。他方、オセアニアや欧州の通貨は買いづらく、消去法的にドルが買われる地合いが続きそうだ。

米国内での新型ウイルス感染は縮小の兆しをみせるものの、予断を許す状況になく一進一退が続く。ニューヨーク州での1日の死者数はこれまでで最多となる700人超にのぼり、改めて住民への自宅待機の要請が強められた。それを受け、先行きへの懸念からドルは買われたが、トランプ米大統領が早期の経済活動再開に見通しを示し、安心感からいったんドル売りに振れた。本日のアジア市場では、日経平均株価の堅調地合いでリスク選好的な円売りが主要通貨を小幅に押し上げ、ドル・円は108円半ばから109円付近に値を上げた。

この後の海外市場では、消去法的にドルが買われる地合いが鮮明になりそうだ。米スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、大規模な財政刺激策を打ち出したオーストラリアの格付け見通しを引き下げている。また、NZ準備銀行は一段の量的緩和の可能性を示唆しており、オセアニア通貨は売りが主体に。ジョンソン英首相のウイルス感染でポンドも下落基調が見込まれ、ドルは主要通貨に対して買いを集める展開となろう。一方、米国内でのウイルス被害で株売りが見込まれるが、ドルは引き続き安全通貨として買いが入りやすいとみる。

【今日の欧米市場の予定】
・02:00 米財務省・10年債入札
・03:00 米・連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨公表(3月15日開催分)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は底堅い値動きか、米国でのウイルス懸念もドル買い継続