19日の日経平均は下落。173.72円安の16552.83円(出来高概算30億1000万株)で取引を終えた。クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は、新型コロナウイルスに絡んで公的支援を求めている企業の株式を政府が取得することをトランプ政権は検討する可能性があると明らかにしたほか、欧州中央銀行(ECB)は7500億ユーロのパンデミック対応購入プログラム発表との報道もあり、これを材料視する流れから買い先行で始まった。

しかし、日経平均は寄り付き直後に付けた17160.97円が高値となり、その後は不安定な展開。指数インパクトの大きいソフトバンクG<9984>の下げが加速したこともセンチメントを悪化させ、後場には一時16358.19円まで下げ幅を拡大させる局面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数、値下がり数が拮抗。セクターでは、陸運、空運、小売、保険が強い半面、その他金融、鉱業、ガラス土石、サービスが軟調。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGが1社で日経平均を約121円下押した他、東エレク<8035>、リクルートHD<6098>、ファナック<6954>、ファーストリテ<9983>が軟調。一方で、KDDI<9433>、中外薬<4519>、テルモ<4543>が堅調だった。

日経平均は不安定な流れであったが、TOPIXは終日強含みであった。前場終値1.4%高だったため日銀のETF買い入れは入っていないと考えられるが、GPIFによる買いのほか、これまでのポジションを解消するといった、アンワインドの流れによる影響が大きいと考えられる。米国の状況からはこのアンワインドの流れは継続しやすく、NT倍率の低下傾向が今後も続く可能性が高いだろう。

一方で、ソフトバンクGの急激な下げやREIT指数の急落等からは、アンワインドの流れが加速しているが、これら銘柄やセクター等の弱い動きが落ち着きをみせてくるようであれば、アンワインドが一巡したとの見方にもつながりやすいだろう。そのため、新型コロナウイルスの感染拡大とともに、NT倍率の低下の動きにも注視する必要があると考えられる。




<CN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 アンワインドの流れが加速【クロージング】