5日の日経平均は続伸。229.06円高の21329.12円(出来高概算13億8000万株)で取引を終えた。米大統領選の民主党候補指名予備選で穏健派とされるバイデン氏が予想外に健闘し、左派のサンダース氏の攻勢を食い止め、指名される可能性が強まったとの見方から、4日の米国市場ではNYダウが1173ドル高と大幅に上昇。

シカゴ日経225先物清算値は大阪比260円高の21390円と強い動きをみせていたこともあり、朝方はこれにサヤ寄せする格好から買いが先行した。ただし、寄り付きに付けた21399.87円が本日の高値となる中、その後は狭いレンジでのこう着となった。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1100を超えており、過半数を占めている。セクターでは、電力ガス、医薬品、その他製品、化学、サービス、精密機器、食料品がしっかり。半面、鉱業、鉄鋼、建設、非鉄金属、保険、不動産が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、テルモ<4543>、リクルートHD<6098>、KDDI<9433>が堅調。

日経平均は買い先行後は狭いレンジでのこう着とはなったが、2月25日のマドを空けての急落以降、上値を抑えられていた5日線はクリアしてきている。また、足元の荒い値動きに対して波乱警戒もあっただけに、本日のような落ち着きを見せたことは、安心材料にはなるだろう。

ヘッジファンドのVIX指数先物の差引き建玉はピーク時から半減程度まで一気に減少したことから、リスクパリティ戦略に伴う機械的な株式の売却についてはピークアウトした可能性もあり、これまでのような乱高下の動きから、一先ず警戒感は和らぐ格好といったところである。

もっとも、米国ではカリフォルニア州が非常事態宣言を発動させるなど、新型コロナウイルスの感染拡大を警戒した各国の混乱により、積極的な売買は手控えられている。来週には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、ロール中心の売買によって短期筋の仕掛け的な動きも出難いところである。再来週には日銀の金融政策決定会合が開かれる。ETF買い入れ目標を増額するとの見方も出てきており、下値の堅さはより意識されてきそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 こう着も落ち着きを見せたことは安心材料に【クロージング】