■NY株式:NYダウ124ドル高、主要企業決算への注目が集まる

米国株式相場は上昇。ダウ平均は124.99ドル高の28859.44、ナスダックは23.77ポイント高の9298.94で取引を終了した。コロナウィルスによる感染拡大が中国経済への重しになるとの見方から、アジア・欧州株が全面安となり、米国株にも売りが先行。世界保健機関(WHO)が緊急事態を宣言したことから軟調推移となったが、マーケット終了後に予定される主要企業決算を見極めたいとの思惑から引けにかけて下げ幅を縮小し、上昇に転じた。セクター別では、ソフトウェア・サービスや食品・飲料・タバコが上昇する一方で、メディアや医薬品・バイオテクノロジーが軟調。

電気自動車のテスラ(TSLA)は、業績見通しが予想を上振れ大幅上昇。ソフトウェアのマイクロソフト(MSFT)や清涼飲料のコカ・コーラ(KO)は、決算内容が好感され堅調推移。一方で、SNSのフェイスブック(FB)は、好決算を発表したものの、成長減速が嫌気され下落。宅配のUPS(UPS)は、売上高が予想に届かず軟調推移となった。

ネット小売のアマゾン(AMZN)は、マーケット終了後に10-12月期決算を発表し、売上高、一株利益ともに予想を上振れた。時間外取引で上昇して推移している。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:新型肺炎の感染拡大で景気見通しは一段と悪化

30日のニューヨーク外為市場でドル・円は109円01銭まで上昇後、108円58銭まで反落したが、108円96銭まで戻して引けた。米・10-12月期個人消費速報値が予想を下回ったこと、米疾病対策センター(CDC)は「米国で初の新型コロナウイルスで人から人への感染を確認した」と発表したことから、リスク回避の円買いに拍車がかかった。世界保健機関(WHO)が新型肺炎で「緊急事態」を宣言したが、株式相場の回復に連れて下げ止まった。

ユーロ・ドルは、1.1015ドルから1.1039ドルまで上昇し、1.1032ドルで引けた。ユーロ・円は、119円78銭から120円25銭まで上昇した。ポンド・ドルは、1.3110ドルまで上昇後、1.3075ドルまで弱含んだものの、その後は下げ渋った。一部で利下げの憶測もあったが、英中央銀行が金融政策を据え置いたため、ショートカバーが加速。ドル・スイスは、0.9715フランから、0.9680フランまで下落した。


■NY原油:続落で52.14ドル、WHOは緊急事態宣言

NY原油先物3月限は続落(NYMEX原油3月限終値:52.14 ↓1.19)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は、前営業日比-1.19ドルの1バレル=52.14ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは51.66ドル−53.20ドル。時間外取引のアジア市場で53.20ドルまで買われたが、通常取引開始後は52ドルを挟む水準で推移し、一時51.66ドルまで下落した。新型のコロナウイルスによる肺炎患者は増加しており、世界保健機関(WHO)は30日、感染が広がっている新型コロナウイルスへの対応に関して、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)に該当すると宣言したことも嫌気された。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  33.48ドル   +0.47ドル(+1.42%)
モルガン・スタンレー(MS) 53.82ドル   +0.49ドル(+0.92%)
ゴールドマン・サックス(GS)244.13ドル  +4.01ドル(+1.67%)
インテル(INTC)        66.47ドル   +0.14ドル(+0.21%)
アップル(AAPL)        323.87ドル  -0.47ドル(-0.14%)
アルファベット(GOOG)    1455.84ドル -2.79ドル(-0.19%)
フェイスブック(FB)     209.53ドル  -13.70ドル(-6.14%)
キャタピラー(CAT)      135.37ドル  -0.41ドル(-0.30%)
アルコア(AA)         14.29ドル   -0.21ドル(-1.45%)
ウォルマート(WMT)      116.58ドル  +0.69ドル(+0.60%)
スプリント(S)         4.46ドル   -0.10ドル(-2.19%)








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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の米国市場ダイジェスト:NYダウ124ドル高、主要企業決算への注目が集まる