28日の日経平均は続落。127.80円安の23215.71円(出来高概算11億7000万株)で取引を終えた。コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大を受けて世界経済鈍化への懸念が強まり、27日の米国市場ではNYダウが一時500ドルを超える下落となる等、海外株安の流れもあって、連日でのギャップスタートとなった。テクニカル面では75日線を割り込んで始まると、その後は狭いレンジでのこう着相場が続いており、大引けにかけてはやや下げ幅を縮めたものの、75日線レベルでの攻防となった。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは、鉄鋼、鉱業、石油石炭、機械、海運、精密機器、非鉄金属が軟調。半面、その他金融、空運が小幅に上昇している。指数インパクトの大きいところでは、ダイキン<6367>、ヤマハ<7951>、リクルートHD<6098>、ファミリーマート<8028>、ファナック<6954>が軟調。一方で、ファーストリテ<9983>、アドバンテスト<6857>、資生堂<4911>がしっかり。

日経平均は一先ず75日線レベルで下げ渋りをみせており、同線が支持線として機能するかを見極めたいところであろう。新型肺炎に対する警戒感は根強いものの、新型肺炎関連への値動きは荒くなってきており、選別色が強まってきている。影響を受けるとされている資生堂なども落ち着いた値動きをみせている。楽観視は出来ないものの、過剰反応は落ち着きを見せてきた点は安心である。

また、米国ではアップルやアドバンスト・マイクロデバイスの決算などが予定されている。GAFAや5G関連などの好決算が示されるようでれば、決算発表が本格化する中で、業績面に関心が向かいやすいと考えられる。足元でイレギュラー的に売られている銘柄も多いとみられ、アップルなどの決算がハイテク株等への見直しに向かう可能性に期待したいところであろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米アップルなどの決算が冷静さを取り戻させるか【クロージング】