6日の日経平均は続伸。54.31円高の23354.40円(出来高概算10億5000万株)で取引を終えた。米株高の流れを受けて買いが先行したが、寄り付き直後に付けた23338.40円が安値、前場半ばにつけた23412.48円が高値となり、その後は昨日同様、狭いレンジでの取引となった。底堅さは意識されていたが、米雇用統計を控えているほか、米中通商協議を見極めたいとする模様眺めムードが強く、リバランス中心の売買となっている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1300を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは証券、建設、鉄鋼、ガラス土石、繊維、機械、その他金融がしっかり。半面、ゴム製品、水産農林、鉱業、パルプ紙、空運、陸運が小安い。指数インパクトの大きいところでは、米バイオジェンがアルツハイマー薬について、研究再開と伝えられるなか、共同開発しているエーザイ<4523>が急伸。アドバンテスト<6857>、TDK<6762>、昨日弱い動きが目立っていたファーストリテ<9983>が上昇。一方で、トレンド<4704>、塩野義<4507>、オリンパス<7733>が冴えない。

日経平均は底堅い値動きであり、テクニカル面では5日線、25日線レベルでの攻防が続いていた。米中通商協議への先行き不透明感から積極的な売買は手控えられているが、内需志向の中、結果的には大規模経済対策を背景とした建設株などへ資金がシフトする格好となっている。リバランスとはいえ、外部環境が不透明のなかで見送り姿勢が強まりやすいところで、経済対策を手掛かりとした関連銘柄への物色に向かう流れとしては、現在の良好な需給状況が窺える。

来週は米連邦公開市場委員会(FOMC)、10-12月期日銀短観、欧州中央銀行(ECB)政策金利発表など重要な経済イベントが予定されているが、市場の関心としては15日に米国が予定している中国製品への新たな関税の発動の行方を見極めたいところであろう。米高官発言等に振らされやすい状況が続きそうであるが、これといったニュースフローが出ないとしても、週末のメジャーSQを控えており、先物主導での仕掛け的な売買も出難いところである。IPOが年末に向けて増えてくることもあり、個人主体の中小型株物色に向かわせやすいだろう。



<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 内需志向で経済対策を材料視【クロージング】