29日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し: 米中交渉の進展期待と米クリスマス商戦への期待
■前場の注目材料:菱洋エレク、20/1期業績予想を上方修正 営業利益19億円←15億円
■三菱重、岩塚工場の土地売却、譲渡益300億円


■米中交渉の進展期待と米クリスマス商戦への期待

29日の日本株市場は、手掛かり材料に欠ける中ではあるが、底堅さが意識されそうである。28日の米国市場は感謝祭の祝日のため、手掛かり材料に欠けるほか、海外勢のフローが限られるため、商いは膨らみづらいだろう。そのため、こう着感の強い相場展開が続くことになりそうだ。

しかしながら、底堅さは意識されやすく、押し目買い意欲は強そうだ。トランプ大統領が「香港人権・民主主義法」に署名したことを受け、中国は厳重に抗議したものの、貿易協議の合意に向けた扉は閉ざさずにいる。中国指導部はなお、国内景気の下支えに向けて、米国との貿易合意を望んでいるとも伝えられており、米中交渉の進展期待が下支えとなろう。

また、米景況感の底堅さから感謝祭明けのブラックフライデー、週明けのサイバーマンデーへの期待も根強く、本格化入りする米クリスマス商戦への期待が下支えとなろう。さらに、現物と先物を合算した海外勢の買い越し基調も継続しているため、需給面での下支えも意識されやすい。バリュエーション面では割安感は後退しているとはいえ、相対的な日本株の出遅れ感が意識されているほか、調整局面においては買い戻したい需給がみられている。

物色の流れとしては海外勢のフローが限られていることから、インデックスに絡んだ商いは入りづらく、個人主体の中小型株に引き続き関心が集まりやすいとみられる。マザーズ指数は11月半ば以降、強いリバウンド基調をみせており、短期的には過熱感が警戒されやすい面はある。しかし、長期的なトレンドとしては、日経平均と真逆の動きをみせていたため、ようやく調整トレンドの上限を超えてきたところである。

急ピッチの上昇で過熱感が警戒されている銘柄等もあるが、資金回転が効いている状況であり、順張りスタンス。また、出遅れ感が修正されてきている流れの中では、調整が続いていた銘柄を見直す流れも広がりをみせてこよう。


■菱洋エレク、20/1期業績予想を上方修正 営業利益19億円←15億円

菱洋エレク<8068>は2020年1月期の業績予想の修正を発表。売上高は従来の980億円から1050億円、営業利益は15億円から19億円に上方修正している。営業利益はコンセンサス(17億円程度)を上回る計画。Windows7のサポート終了を控え、パソコン向けソフトウェアが堅調に推移しているほか、テレビ向け半導体についても想定以上の拡大がみられた。


■前場の注目材料
・日経225先物は大阪夜間取引で上昇(23470、大阪日中比+60)
・1ドル109円50-60銭
・日銀のETF購入
・株安局面での自社株買い


・トヨタ<7203>エンジン部品減少に備えサプライヤー支援、豊田通商の取引先紹介
・パナソニック<6752>半導体撤退、収益性改善急ぐ
・三菱重<7011>岩塚工場の土地売却、譲渡益300億円
・メガチップス<6875>映像出力向けLSI事業売却、米キネテックに
・伊藤忠<8001>QR決済社と提携
・日産自<7201>次世代車生産にロボ活用、まず栃木工場で330億円投資


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 10月鉱工業生産速報値(前月比予想:-2.0%、9月:+1.7%)

<海外>
・特になし




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~米中交渉の進展期待と米クリスマス商戦への期待