7日の日経平均は反落。34.95円安の21375.25円(出来高概算9億2000万株)で取引を終えた。出来高は9月9日以来、約1か月ぶりに10億株を割り込み、売買代金は1.5兆円台にとどまっている。4日の米国市場は、9月雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を下振れたものの、失業率が約50年ぶりの低水準に改善したことが材料視されNYダウが372ドル高と上昇。

この流れを受ける格好から続伸して始まったが、中国当局者は米国との貿易協議を前に、トランプ米大統領が求める幅広い通商協定に合意することに一段と消極的な姿勢を示していると伝わる中、買い一巡後は速い段階で下げに転じている。ただし、10日からの米中閣僚会議の行方を見極めたいとする模様眺めムードの中では仕掛け的な動きはなく、国慶節明け後の中国市場の動向を見極めたいとする手控えの中、狭いレンジでのこう着が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり値下がり数がいずれも1015銘柄と拮抗。セクターでは、ゴム製品、水産農林、その他製品、鉱業、銀行、金属製品、電力ガス、証券が軟調。半面、小売、情報通信、倉庫運輸、サービス、陸運、その他金融、鉄鋼、卸売が小じっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、信越化<4063>が軟調。一方で、ソフトバンクG<9984>、リクルートHD<6098>、テルモ<4543>が小じっかりだった。

日経平均は25日線に上値を抑えられる一方で、75日線が支持線として意識される格好でのこう着が続いた。ただし、5日線の切下がりによって25日線との短期デッドクロスが意識されており、テクニカル面では慎重な見方になりやすい。10日からの米中閣僚会議での合意期待は高まっていないとはいえ、押し目拾いの動きは期待しづらいところである。そんな中、吉野家HD<9861>が上方修正を好感した買いから急伸するなど、個別に材料の出ている銘柄への物色は活発である。また、アップルの増産がきっかけとはいえ、村田製作所<6981>の買い戻しの流れが強まるなど、リバランスながらも需給妙味のある銘柄などへの巻き戻しが意識されやすい。

また、今週は小売企業を中心に、約230社ほどの決算発表が予定されている。増税後は小売セクターを見直す動きもみられており、米中閣僚会議を見極めつつ、決算を手掛かりとした個別物色に向かわせよう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 先行き不安の中、個別に材料の出ている銘柄への物色は活発【クロージング】