17日の日経平均は小幅ながら10営業日続伸。13.03円高の22001.32円(出来高概算13億3000万株)で取引を終えた。終値での22000円回復は、4月26日以来となり、ゴールデンウィーク明け後の急落部分を完全に吸収した。サウジアラビアの石油施設が攻撃され、世界で最も重要な産油地域で情勢が悪化することへの懸念が強まるなか、朝方は売り優勢となり、日経平均は寄り付き直後に21878.63円まで下げる局面もみられた。しかし、リスク回避姿勢はそれ程強まらず、その後は底堅さが意識される展開。後場半ばに22000円を回復すると、その後は狭いレンジでの取引が続く中、大引けにかけてはインデックスに絡んだ買いが指数を押し上げている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1200を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは原油相場の急伸を背景に、鉱業、石油石炭が大きく上昇したほか、バリュー株物色の流れから、その他金融、不動産が堅調。一方で、空運、海運、化学、ゴム製品が原油相場の急伸を背景に冴えない展開。指数インパクトの大きいところでは、テルモ<4543>、ファーストリテ<9983>、KDDI<9433>がけん引。半面、ソフトバンクG<9984>、バンナムHD<7832>が重石に。

地政学リスクが警戒されている中ではあったが、為替相場が1ドル108円台と落ち着いた推移をみせていたこともあり、過度な警戒感は高まらなかったようである。とは言え、セクターでは原油相場の急伸を背景に買われるセクター、売られるセクターが顕著に表れていた。ただし、全体としては市場の関心はFOMCなどの各国の金融政策に向いていることもあり、バリュー株への巻き戻しなどが継続しているようである。

また、日経平均は本日の上昇によってゴールデンウィーク明け後の急落部分を完全に吸収した。達成感が高まるというよりも弱気に傾いていたセンチメントが改善する可能性があるため、物色意欲は次第に高まることも考えられよう。FOMCの結果を見極めたいとする模様眺めムードから上値追いは慎重だろうが、バリュー株への巻き戻しは継続するとみられ、金融株など相対的に出遅れているセクターや銘柄への見直しを、引き続き意識しておきたいところである。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 バリュー株への巻き戻しは継続【クロージング】