5日の日経平均は大幅に続伸。436.80円高の21085.94円(出来高概算13億4000万株)で取引を終えた。終値での21000円回復は、8月2日以来となる。香港で条例改正案が撤回されたこと、英議会下院がEUからの離脱延期を政府に義務付ける法案を可決し、合意なき離脱がひとまず避けられるとの楽観論から、買い戻し優勢の相場展開となった。ギャップスタートで20800円を回復して始まった日経平均は、中国商務省が10月上旬に米国と閣僚級貿易協議を行うことを確認したと伝えられる中で上げ幅を拡大。後場半ばには一時21164.61円まで上げ幅を広げる局面もみられている。売買代金は4営業日ぶりに2兆円を上回っている。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1900を超えており、全体の9割を占める全面高商状。セクターでは東証33業種全てが上昇しており、精密機器、海運、パルプ紙、電気機器の上昇率が3%を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、アドバンテスト<6857>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>の5銘柄で日経平均を約135円押し上げている。

日経平均はギャップスタートで直近のもち合いレンジ上限だった20700円処を上放れ、その後も長い陽線を形成する格好から、75日線を捉えてきている。買い一巡後はこう着感が強まるかとみていたが、指値状況が薄い中で予想以上に上へのバイアスが強まった格好である。センチメントが弱気に傾いていたことでショートカバーの流れが強まったほか、来週には先物オプション特別清算指数算出(SQ)を控えていることもあり、ヘッジ等の動きもあったとみられる。

香港については、改正案は撤回となったが、香港デモは継続すると伝えられており、混乱は長引く見通し。米中協議については9月に予定されていた協議を10月に先送りするといったところであり、楽観視はできないところではある。とは言え、テクニカル面ではもち合いレンジを上放れており、21000円を中心レンジとして20700円-21500円辺りにレンジが移行している。一目均衡表では雲下限を捉えており、来週には雲のねじれにより、雲上限が21000円処に下がる。横ばい推移として、来週には遅行スパンが上方シグナルを発生させてくる。まずは21000円固めが課題ではあるが、テクニカルシグナルは好転してきている。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 楽観は禁物もシグナルは好転へ【クロージング】