3日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:日経平均は狭いレンジでのこう着に
■前場の注目材料:伊藤園、1Q営業利益2.3%増、コンセンサスの範囲内
■三菱ケミHD、Jパワーなど、カーボンリサイクルファンド設立


■日経平均は狭いレンジでのこう着に

3日の日本株市場は、引き続き薄商いの中、こう着感の強い相場展開になりそうだ。2日の米国市場はレイバーデー(Labor Day)の祝日で休場だったため、本日も海外勢のフローは限られることになろう。また、米中問題については、中国政府が国際的な貿易ルールに違反するとして世界貿易機関(WTO)に提訴すると発表。去年からの関税の上乗せ措置に対し、これまでもWTOに提訴しており、波乱材料とはならないものの、様子見姿勢は強まることになりそうだ。

また、レイバーデー明け後の米国では、サマーシーズン明けということもあり、市場参加者がかえってくるとみられている。出来高が膨れてくる可能性もあるため、本日のところは米国市場の動向を見極めたいところでもある。また、米国では製造業PMI(改定値)、ISM製造業景況指数、建設支出の発表が予定されている。その後も週後半にかけて多くの経済指標の発表が増えていることもあり、これを受けた米国市場の動向に振らされやすい状況であろう。

昨日の日経平均は5日線と25日線に挟まれてのこう着となり、日中値幅は前場が50円程度、後場は30円程度と狭いレンジ取引となり、売買代金は1.3兆円と今年最低を記録している。本日も出来高増加は期待しづらいところであり、昨日同様、日経平均は5日線と25日線に挟まれての推移が続きそうである。米中協議の報道などはいつ出てきてもおかしくない状況であり、積極的な売買は手控えられ、リバランスを中心とした売買になろう。中小型株についても、材料が出た銘柄等へ短期的な値幅取り狙いの資金が向かいやすいとみられる。

昨日は中小型株の一角に資金がシフトする局面もみられたが、資金の逃げ足も速い。マザーズ指数のけん引役となったサンバイオ<4592>は前引けにかけて上げ幅を拡大させていたが、後場はもち合いとなり、大引けにかけては上げ幅を縮めている。いったん上値の伸びが鈍るようだと、一気に利食いに向かいやすい需給状況のようである。


■伊藤園、1Q営業利益2.3%増、コンセンサスの範囲内

伊藤園<2593>は第1四半期決算を発表、売上高は前年同期比6.6%減の1303.67億円、営業利益が同2.3%増の62.07億円だった。コンセンサス(62億円程度)の範囲内。天候不順で緑茶や麦茶などの販売は振るわなかったが、特売日を減らすなど店頭価格の正常化への取り組みなどが奏功したようである。


■前場の注目材料
・株安局面での自社株買い
・米追加利下げ期待
・欧州中央銀行(ECB)が追加緩和検討
・日銀のETF購入

・NTT<9432>工事・保守にAI活用、地下設備の情報解析
・三菱ケミHD<4188>Jパワーなど、カーボンリサイクルファンド設立
・JDI<6740>追加借り入れ200億円、INCJから
・トヨタ<7203>英工場一時停止、「合意なき離脱」に備え
・コマツ<6301>林業機械で攻勢、アジア開拓、スマート化支援
・パナソニック<6752>電設資材の売上高倍増へ、30年度に4000億円

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 8月マネタリーベース(7月:前年比+3.7%)
・12:35 10年国債の入札結果発表

<海外>
・10:30 豪・7月小売売上高(前月比予想:+0.2%、6月:+0.4%)
・10:30 豪・4-6月期経常収支(予想:+15億豪ドル、1-3月期:-29億豪ドル)




<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~日経平均は狭いレンジでのこう着に