■NY株式:NYダウ326ドル高、中国が交渉優先を強調

米国株式相場は上昇。ダウ平均は326.15ドル高の26362.25、ナスダックは116.51ポイント高の7973.39で取引を終了した。追加関税の応酬による米中貿易摩擦の一段の深刻化が懸念される中、中国政府が冷静な交渉による解決を望む姿勢を示したことで、懸念がやや後退し買いが先行。米長期金利の上昇を受けて金融株を中心にも買いが広がり、終日堅調となった。セクター別では、半導体・半導体製造装置や運輸が上昇する一方で食品・飲料・タバコや家庭用品・パーソナル用品が下落した。

米中貿易摩擦の懸念後退を受けて、マイクロン・テクノロジー(MU)やアドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)などの半導体セクターが上昇。ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(DG)は、通期見通しを引き上げ大幅上昇。米国債利回りの上昇により、シティ・グループ(C)、ゴールドマンサックス(GS)、モルガン・スタンレー(MS)などの金融関連株が軒並み買われた。一方で、家電量販店のベストバイ(BBY)は、売上高が予想を下回り下落した。

PCメーカーのデル(DELL)はマーケット終了後に5-7月期決算を発表、売上高、一株利益ともに予想を上振れた。時間外取引で上昇して推移している。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米中対立の早期収束への期待でリスクオン

29日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円19銭から106円68銭まで上昇して106円51銭で引けた。中国政府が対米貿易戦争に関する態度を軟化させたため米中対立の改善期待が強まったほか、米4-6月期個人消費改定値が予想を上回ったため米債利回り上昇に伴うドル買いやリスク選好の円売りが強まった。

ユーロ・ドルは、1.1093ドルまで上昇後、1.1042ドルまで下落して1.1057ドルで引けた。クノット・オランダ中銀総裁が量的緩和(QE)の再開の必要はないとしたため一時ユーロのショートカバーが強まったが、ドイツのインフレ低下や次期ECB総裁のラガルド氏が「金利が下限に達していない」とのハト派な見解を示すと金利先安感に伴うユーロ売りに拍車がかかった。ユーロ・円は、117円50銭へ軟化後、117円94銭まで上昇した。ポンド・ドルは、1.2232ドルから1.2172ドルまで下落。ドル・スイスは、0.9817フランから0.9875フランまで上昇した。


■NY原油:続伸で56.71ドル、中国が対米貿易協議に期待表明

NY原油先物10月限は続伸(NYMEX原油10月限終値:56.71 ↑0.93)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+0.93ドルの56.71ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは55.43ドル−56.89ドル。中国が対米貿易協議に期待を表明したことや、この日発表された4-6月期国内総生産(GDP)改定値で個人消費の伸びは上方修正されたことから、景気後退入りへの警戒感は低下したことが要因。原油、ガソリン在庫の減少も引き続き材料視されていたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  27.33ドル   +0.48ドル(+1.79%)
モルガン・スタンレー(MS) 41.29ドル   +0.91ドル(+2.25%)
ゴールドマン・サックス(GS)203.44ドル  +4.27ドル(+2.14%)
インテル(INTC)        46.87ドル   +1.08ドル(+2.36%)
アップル(AAPL)        209.01ドル  +3.48ドル(+1.69%)
アルファベット(GOOG)    1192.85ドル +21.83ドル(+1.86%)
フェイスブック(FB)     185.57ドル  +3.81ドル(+2.10%)
キャタピラー(CAT)      117.77ドル  +2.91ドル(+2.53%)
アルコア(AA)         17.80ドル   +0.79ドル(+4.64%)
ウォルマート(WMT)      114.08ドル  +1.36ドル(+1.21%)
スプリント(S)         6.82ドル   0.00ドル(0.00%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 29日の米国市場ダイジェスト:NYダウ326ドル高、中国が交渉優先を強調