■NY株式:NYダウ258ドル高、原油相場や企業決算を好感

米国株式相場は上昇。ダウ平均は258.20ドル高の26036.10、ナスダックは29.94ポイント高の7856.88で取引を終了した。英国による約5週間の議会休会が明らかとなり、合意なきEU離脱への懸念が強まったほか、米中貿易摩擦への警戒感も根強く、売りが先行。その後は原油相場の上昇や一部主要企業決算が好感され、堅調推移となった。セクター別では、自動車・自動車部品や耐久消費財・アパレルが上昇する一方でソフトウェア・サービスや公益事業が下落した。

原油相場の上昇で、エネルギー会社のチェサピーク・エナジー(CHK)や深海油田開発のトランスオーシャン(RIG)などエネルギー銘柄が上昇。宝飾品のティファニー(TIF)や法人向けハードウエア・サービス事業のヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、決算内容が好感され堅調推移。航空大手のアメリカン航空(AAL)は、「737 MAX」の年内の運航再開に自信を示し買われた。一方で、CADソフトウェアのオートデスク(ADSK)は、決算内容が予想を下振れ下落した。

金融危機時に大きな利益を上げたことで知られるマイケル・バリー氏は、上場投資信託(ETF)や指数連動型商品に資金が集中しすぎており、中小型株への投資が割安であると指摘した。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米債利回り下げ渋りでリスク回避のドル売り縮小

28日のニューヨーク外為市場でドル・円は、105円66銭から106円23銭まで上昇し、106円04銭引けた。米国債券利回りの低下、長短金利の逆転が一段落し、リスク回避の動
きが後退した。

ユーロ・ドルは、1.1086ドルから1.1073ドルまで下落し、1.1078ドルで引けた。ドイツ連邦債の利回りが一段と低下したことを警戒してユーロ売りが優勢となった。ただ、連立政権発足への期待が再燃したことでイタリアの政局不安は多少緩和されたことから、ユーロは下げ止まった。ユーロ・円は、117円11銭から117円68銭まで上昇した。ポンド・ドルは、1.2193ドルから1.2253ドルまで上昇した。ドル・スイスは、0.9801フランまで下落後、0.9825フランまで上昇した。スイス国立銀行(SNB、中央銀行)のメクラー理事が「スイスフランはかなり強すぎ」と発言したため、リスク回避のフラン売りが強まった。


■NY原油:続伸で55.78ドル、原油在庫の減少幅は予想を上回る

NY原油先物10月限は続伸(NYMEX原油10月限終値:55.78 ↑0.85)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+0.85ドルの55.78ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは55.34ドル−56.75ドル。原油在庫の減少幅が市場予想を大幅に上回ったことやガソリン在庫の減少幅も市場予想を上回ったことから、需給関係の引き締まりを意識した買いが入った。ロシアが原油価格を支えるための石油輸出国機構(OPEC)による減産を公約するとの見方も引き続き材料視されていたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  26.85ドル   +0.38ドル(+1.44%)
モルガン・スタンレー(MS) 40.38ドル   +0.59ドル(+1.48%)
ゴールドマン・サックス(GS)200.42ドル  +2.35ドル(+1.19%)
インテル(INTC)        45.79ドル   0.00ドル(0.00%)
アップル(AAPL)        205.53ドル  +1.37ドル(+0.67%)
アルファベット(GOOG)    1171.02ドル +3.18ドル(+0.27%)
フェイスブック(FB)     181.76ドル  +0.46ドル(+0.25%)
キャタピラー(CAT)      114.86ドル  +1.48ドル(+1.31%)
アルコア(AA)         17.01ドル   +0.28ドル(+1.67%)
ウォルマート(WMT)      112.72ドル  +0.30ドル(+0.27%)
スプリント(S)         6.82ドル   +0.12ドル(+1.79%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 28日の米国市場ダイジェスト:NYダウ258ドル高、原油相場や企業決算を好感