■NY株式:NYダウ120ドル安、米中交渉再開への懐疑的な見方が広がる

米国株式相場は下落。ダウ平均は120.93ドル安の25777.90、ナスダックは26.79ポイント安の7826.95で取引を終了した。前日の流れを受けた米中貿易摩擦への警戒感の後退で買いが先行。しかし、ドイツの4-6月期GDPがマイナス成長となり、世界経済減速への懸念から米長期金利が低下した。米中交渉再開への懐疑的な見方も広がり、午後にかけて下落に転じた。セクター別では、食品・生活必需品小売や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方で食品・飲料・タバコやヘルスケア機器・サービスが下落した。

米10年債利回りが、1.5%を下回る水準まで低下し、シティ・グループ(C)、バンクオブアメリカ(BAC)、JPモルガン(JPM)など金融各社が軒並み下落。食品会社のJMスマッカー(SJM)は、決算が予想を下振れ軟調推移。タバコ会社のフィリップ・モリス(PM)と同業のアルトリア・グループ(MO)が株式交換による合併協議を行っていることが報じられたが、ともに下落。一方で、会員制卸売のコストコ・ホールセール(COST)は、中国で初めて上海に新店舗を開店したものの、来店客殺到により一時店舗を閉鎖する事態となり上昇。医薬品のジョンソン&ジョンソン(JNJ)は、オピオイド系鎮痛剤の販売を巡る裁判を巡り、オクラホマ州地裁に命じられた賠償金が予想よりも小規模であったことから堅調推移となった。
中国政府が低迷する自動車市場のてこ入れの為、自動車購入規制の緩和や撤廃に向けた取り組みを発表しており、自動車大手のフォード(F)やゼネラル・モーターズ(GM)の業績に好影響を与えそうだ。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米リセッション懸念再燃でドル・円反落

27日のニューヨーク外為市場でドル・円は、106円07銭まで上昇後、105円66銭まで反落し、105円76銭で引けた。米国の8月消費者信頼感指数や8月リッチモンド連銀製造業指数が予想を上回ったことを好感し、ドル買いが優勢となった。しかし、一部メディアが「中国政府は米国に屈しない断固とした方針を維持している」との見解を示すと米中貿易摩擦改善への期待は後退。加えて米国の長短金利の逆転が一段と悪化したため米国経済が景気後退入りするとの懸念も再燃しドル売り、円買いに拍車がかかった。

ユーロ・ドルは、1.1110ドルから1.1086ドルまで下落し、1.1091ドルで引けた。ドイツの4−6月期国内総生産(GDP)改定値が速報値のマイナス成長から修正なく、ドイツ連邦債利回りが一段と低下したほか、欧州中央銀行(ECB)のデギンドス副総裁が低金利の長期化を示唆したため、金利先安感にユーロ売りが加速。ユーロ・円は、117円74銭から117円23銭まで下落。ポンド・ドルは、1.2310ドルまで上昇後、1.2252ドルまで反落。ドル・スイスは、0.9795フランから0.9837フランまで上昇した。


■NY原油:大幅反発で54.93ドル、ロシアはOPEC減産に同調との見方

NY原油先物10月限は大幅反発(NYMEX原油10月限終値:54.93 ↑1.29)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比+1.29ドルの54.93ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは53.69ドル−55.67ドル。ロシアのエネルギー相は原油価格を支えるための石油輸出国機構(OPEC)による減産を公約するとの見方を示したことが買い材料となった。米中対立の長期化に対する市場の警戒感は低下していないが、中国政府は自動車購入制限の段階的な緩和や撤廃を検討しているとの見方も原油先物相場を下支えしたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  26.47ドル   -0.31ドル(-1.16%)
モルガン・スタンレー(MS) 39.79ドル   -0.37ドル(-0.92%)
ゴールドマン・サックス(GS)198.07ドル  -1.58ドル(-0.79%)
インテル(INTC)        45.79ドル   +0.23ドル(+0.50%)
アップル(AAPL)        204.16ドル  -2.33ドル(-1.13%)
アルファベット(GOOG)    1167.84ドル -1.05ドル(-0.09%)
フェイスブック(FB)     181.30ドル  +0.94ドル(+0.52%)
キャタピラー(CAT)      113.38ドル  -1.04ドル(-0.91%)
アルコア(AA)         16.73ドル   -0.44ドル(-2.56%)
ウォルマート(WMT)      112.42ドル  +0.43ドル(+0.38%)
スプリント(S)         6.70ドル   -0.15ドル(-2.19%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の米国市場ダイジェスト:NYダウ120ドル安、米中交渉再開への懐疑的な見方が広がる