14日の日経平均は反発。199.69円高の20655.13円(出来高概算10億6000万株)で取引を終えた。米通商代表部(USTR)は中国からの輸入品約3000億ドル(約32兆円)相当に対し9月1日から課す予定の10%の関税について、一部の品目への発動を延期すると発表。一先ず米中対立への警戒感が和らぐ格好から買いが先行する流れとなったが、日経平均は寄り付き直後に付けた20697.42円が本日の高値、前引け直前に付けた20581.17円が安値となっており、後場はこのレンジ内でのこう着感の強い相場展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1600を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは鉱業、その他製品、非鉄金属、ゴム製品、石油石炭、繊維、ガラス土石が堅調。半面、空運、陸運、電力ガスが小安い。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、TDK<6762>、テルモ<4543>がけん引。一方で、アドバンテスト<6857>が若干重石となった。

多くの市場参加者が想定していたとみられるが、案の定、買い一巡後はこう着感の強い相場展開となった。出来高は10億株台にとどまっており、売買代金は11営業日ぶりに2兆円を下回る薄商いであった。米中関税については先送りであり、問題が解決したわけではないといった見方もあったようだが、とは言え、リスクオンに向かいやすいところである。短期筋のショートカバー以外は、ショートポジション自体がそれ程積み上がっていない需給状況といったところであろう。

新興市場はJASDAQが続落だったが、マザーズ指数は3営業日ぶりに反発。出来高も低水準ではあるが、8月7日をボトムに足元で増加傾向にある。お盆休みで参加者は限られているが、決算を手掛かりとした日替わり物色が活発であろう。また、外部環境が不透明な状況とはいえ、一先ず米中関税については12月まで先送りされており、リスク回避姿勢は後退している。日経平均はこう着感の強い相場展開が続こうが、下へのバイアスは強まりづらいだろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 こう着相場継続、目先的に下へのバイアスは強まりづらい【クロージング】