■NY株式:NYダウ617ドル安、米中貿易戦争が本格化

米国株式相場は下落。ダウ平均は617.38ドル安の25324.99、ナスダックは269.92ポイント安の7647.02で取引を終了した。中国政府が米国製品600億ドル相当への関税引き上げを6月1日から実施すると表明し、アジア・欧州株がほぼ全面安となり、米国株は大幅下落となった。米国政府は、中国からの輸入品3250億ドル相当への関税引き上げについても検討しており、米中貿易摩擦の長期化や深刻化に対する警戒感から投資家心理が急速に悪化した。セクター別では、公益事業や家庭用品・パーソナル用品が上昇する一方でテクノロジー・ハード・機器や半導体・半導体製造装置が下落した。

米中関係悪化への懸念から、アドバンスド・マイクロ・デバイシズ(AMD)やインテル(INTC)など半導体関連企業が下落。中国での売上比率の大きい建設機械のキャタピラー(CAT)や航空機メーカーのボーイング(BA)、携帯端末のアップル(AAPL)も軟調推移。米長期金利の低下で、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が売られた。先週末にNY証券取引所に上場した配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズ(UBER)は、業績拡大への懐疑的な見方も加わり、大幅続落となった。

ゴールドマンサックスは、貿易摩擦を巡る米中間の対立が一段と深刻化すれば、関税引き上げによるコスト増加は米企業と家計が負担することとなり、米GDP成長率を大幅に押し下げると予想している。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米中貿易摩擦激化を警戒して円買い強まる

13日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円63銭から109円02銭まで下落し、109円30銭で引けた。米国の制裁関税に対して中国が報復関税を講じる計画を発表したことから、米中貿易摩擦の深刻化を警戒したリスク回避の円買いが強まった。米国の利下げ観測も強まり、ドル売りにも拍車がかかった。その後、トランプ大統領がG20で中国の習主席を会談することを明らかにしたほか、残り3000億ドルの中国製品に対する追加関税の最終決定はしていないことを明らかにすると、警戒感がいくらか後退し下げが一段落した。

ユーロ・ドルは、1.1263ドルまで上昇後、1.1222ドルまで反落し、1.1222ドルで引けた。ユーロ・円は、123円15銭から122円55銭まで下落した。ポンド・ドルは、1.3041ドルから1.2941ドルまで下落した。ドル・スイスは、1.0079フランから1.0050フランまで下落した。


■NY原油:続落で61.04ドル、米中貿易摩擦激化を警戒

NY原油先物6月限は続落(NYMEX原油6月限終値:61.04 ↓0.62)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日比-0.62ドルの61.04ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは60.64ドル−63.33ドル。米中貿易摩擦の激化によって世界経済の減速傾向はより強まるとの見方が広がった。短期筋などのポジション調整的な売りも観測された。米国株式が大幅安となったことも嫌気されたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  28.25ドル   -1.33ドル(-4.50%)
モルガン・スタンレー(MS) 44.18ドル   -2.16ドル(-4.66%)
ゴールドマン・サックス(GS)194.97ドル  -7.08ドル(-3.50%)
インテル(INTC)        44.76ドル   -1.44ドル(-3.12%)
アップル(AAPL)        185.72ドル  -11.46ドル(-5.81%)
アルファベット(GOOG)    1132.03ドル -32.24ドル(-2.77%)
フェイスブック(FB)     181.54ドル  -6.80ドル(-3.61%)
キャタピラー(CAT)      125.30ドル  -6.04ドル(-4.60%)
アルコア(AA)         24.54ドル   -0.50ドル(-2.00%)
ウォルマート(WMT)      99.89ドル   -2.02ドル(-1.98%)
スプリント(S)         6.02ドル   -0.17ドル(-2.75%)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 13日の米国市場ダイジェスト:NYダウ617ドル安、米中貿易戦争が本格化