13日の欧米外為市場では、ドル・円はもみ合い展開を予想する。前週末の米中貿易協議は合意に達することができず、今後も継続する見通し。長期化した場合には両国の貿易戦争につながるとの見方から、警戒の円買いがドルの上値を抑えそうだ。

9-10日に行われた閣僚級の米中貿易交渉は合意に至らず、今後も協議を続けることで一致した。ただ、米トランプ政権は10日、予告通り中国からの輸入品について制裁関税引き上げに踏み切っており、今後の中国側の対応が注目される。前週末時点では交渉決裂との最悪シナリオを回避したが、中国の報復措置で貿易戦争に発展する可能性もあり、協議の行方はなお不透明だ。米トランプ政権は本日、対中関税第4弾の詳細案を公表する予定。週明けのアジア市場でドル・円はドル売り・円買い先行で寄り付き、一時109円60銭まで値を下げた。米長期金利の下げ渋りでドルは小幅に戻したものの、先行きへの警戒で円買い方向に振れやすい。

ただ、ドル・円に関しては前週、下落局面が続いたものの2日連続で109円47銭付近で下げ止まっている。そのため、ドルの下値の堅さが意識されており、本日も底堅く推移する可能性はある。一方、10日に発表された米消費者物価指数(CPI)は予想を下回り、FRBの年内利上げ観測によるドル買いは想定しにくい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・22:05 ローゼングレン米ボストン連銀総裁とクラリダ米FRB副議長が開会あいさつ(ボストン連銀主催会合)
・02:20 カプラン米ダラス連銀総裁講演(地域フォーラム)
・米トランプ政権が対中関税第4弾の詳細案を公表




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円はもみ合いか、米中協議の長期化で摩擦再燃に警戒も