9日の日経平均は続落。200.46円安の21402.13円(出来高概算16億8000万株)で取引を終えた。米政府は中国製品への制裁関税を25%に引き上げると正式に通知する一方で、中国側は米国が関税を引き上げた場合、必要な対抗処置を取ると表明など、米中閣僚級協議に対する警戒感が強まっている。21500円を割り込んで始まった日経平均は寄り付き直後に21559.76円と下げ渋る動きもみられたが、その後は下げ幅を広げており、前引け際には21315.07円まで下げ幅を拡大。後場はこう着の中、関税引き上げについて、実際に適用されるのは大半が数週間後になるとの報道もあってか、大引けにかけては若干下げ幅を縮める格好となった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1800を超えており、全体の85%を占めている。セクターでは水産農林、電力ガス、海運が3%を超える下落となったほか、建設、パルプ紙、輸送用機器、鉄鋼、繊維、空運が2%を超える下落。一方で、情報通信、その他金融が小幅に上昇した。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、ユニファミマ<8028>、ホンダ<7267>が重石になる半面、ファーストリテ<9983>が下支えに。

米中閣僚級協議に関する報道に振らされやすい状況となり、日経平均は終値ベースでは3月29日以来の21500円を割り込んでいる。これにより、テクニカル面では2月半ば以降、支持線として機能している75日線まで調整したほか、一目均衡表では雲上限レベルまで調整しており、いったんは調整一巡感も意識されるところである。米中閣僚級協議の行方を見極めたいほか、決算ピークとなる中でリバウンド狙いの買いは入りづらいものの、売り方にとっても積極的には売り込みづらい水準であろう。

また、米中閣僚級協議については、両国がぎりぎりのところで合意する可能性は低いとの見方であろう。また、対中関税引き上げの確率は80%との見方もされている。一方で、実際に適用されるのは大半が数週間後になるとの報道もあり、結果的には当初の予定通り、5月末の合意に向けた動きも意識されやすいところである。積極的な参加者は限られると考えられるが、ソフトバンク<9434>が終日プラス圏で推移するなど、決算や材料の出ている銘柄への物色意欲は強気だろう。明日はコンセンサスを上回る決算、株式分割を発表したソフトバンクG<9984>の動向に関心が集まりそうだ。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 明日はソフトバンクGの動向に関心が集まりそう【クロージング】