8日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:決算を手掛かりとした中小型株シフトへ
■前場の注目材料:ヤマハ発、1Q営業利益12.8%減、コンセンサス下回る
■京セラ<6971>米工具販社買収、900億円、海外事業底上げ


■決算を手掛かりとした中小型株シフトへ

8日の日本株市場は不安定な相場展開になろう。ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が中国からの輸入品2000億ドルに対する関税引き上げを10日に実施すると明らかにしたことで、これを受けた米国市場の動向が注目されていたが、NYダウは473ドル安と大きく下落した。前日段階で米株先物では150ドル安程度は織り込んでいたが、これを上回る下落となっており、ネガティブ視されることになろう。シカゴ日経225先物清算値は大阪比290円安の21650円となり、これにサヤ寄せする格好でのギャップ・ダウンからのスタートとなろう。

昨日の日経平均は前日のNYダウが一時470ドル超安から66ドル安と下げ渋りを見せていた中でも、ライトハイザー代表の発言を警戒して300円を超える下落となり、ある程度は織り込まれていると考えられる。とは言え、日経平均は心理的な支持線として意識されていた25日線を、マドを空けて割り込む格好になると考えられ、センチメントは悪化しよう。売り一巡後はこう着感が強まりそうだが、関税引き上げを10日から実施すると伝えられる中、この結果を見極めたいところであり、リバウンド狙いの動きは限られよう。

もっとも、決算発表が今来週でピークを迎えることもあり、積極的な売買は手控えられていると考えられるため、指数の下落ほどセンチメントは悪化しないとも考えられる。指値状況が薄い中で先物主導のインデックス売買に振らされやすいだろうが、決算を受けた好業績銘柄や割安感のある銘柄などへは、冷静な資金流入が意識されよう。

その他、決算内容に対して大きく振れやすい需給状況である。先回り的な資金流入も限られることから、しばらくは決算を見極めての日替わり物色になりそうである。個人主体の短期資金などはマザーズやJASDAQなど、中小型株での物色に向かいやすいだろう。


■ヤマハ発、1Q営業利益12.8%減、コンセンサス下回る

ヤマハ発<7272>が発表した第1四半期決算は、売上高が前年同期比5.9%増の4293.49億円、営業利益が同12.8%減の359.20億円だった。通期計画に対する進捗率は27.0%と順調だが、コンセンサス(400億円程度)を下回っており、中立だろう。


■前場の注目材料
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・追加金融緩和への期待
・消費増税の延期観測

・京セラ<6971>米工具販社買収、900億円、海外事業底上げ
・日ペHD<4612>トルコ社買収、建築用塗料など本格参入
・東北電力<9506>電力直接取引を研究、東芝エネシステムズと
・丸紅<8002>潜在案件発掘、分散型電源、米グリッドマーケットに出資
・傷ついた脳の神経、幹細胞使い再生 運動機能改善 製品化目指す

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 日銀金融政策決定会合議事要旨(3月14-15日開催分)
・08:50 4月マネタリーベース(前年比予想:+3.2%、3月:+3.8%)特になし)

<海外>
・時間未定 中・4月輸出(前年比予想:+3.0%、3月:+14.2%)
・時間未定 中・4月輸入(前年比予想:-2.1%、3月:-4.8%←-7.6%)
・11:00 NZ準備銀行が政策金利発表(0.25ポイント引き下げ予想)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~決算を手掛かりとした中小型株シフトへ