4日の日経平均は小幅に続伸。11.74円高の21724.95円(出来高概算12億2000万株)で取引を終えた。小幅に上昇して始まった日経平均は、その後21662.90円と下げに転じる局面もみられたが、前引け間際には21787.60円まで上げ幅を広げている。ただし、こう着感の強い相場展開となる中、後場はこのレンジ内での推移が続いた。米国市場の流れから半導体関連の強い値動きが目立っていたが、3月ADP雇用統計やISM非製造業景況指数などを受けて、週末の雇用統計に対する警戒感も出やすいところであり、上値追いは慎重になりやすい状況であった。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1100を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは米中通商協議への期待が高まる中で景気敏感セクターへのリバーサルが継続しており、海運のほか、輸送用機器、ゴム製品、繊維、電気機器、金属製品、非鉄金属がしっかり。一方で、鉱業、パルプ紙、陸運、電力ガス、医薬品が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、日産化<4021>、スズキ<7269>、デンソー<6902>がしっかり。半面、塩野義<4507>、ファーストリテ<9983>が重石となった。

米国市場の流れから半導体株が買い先行となったが、東エレク<8035>は一時17930円まで上げ幅を拡大したものの、後場には17360円まで上げ幅を縮めるなど、日経平均の押し上げ効果は限られている。ただし、上値の重さよりも下値の堅さを指摘する向きが大勢であり、センチメントは改善傾向にあるとみて良さそうである。とはいえ、中小型等の一角には後場に入って失速する動きも目立っている。明日も利食いに押される格好となるようだと、少なからずセンチメントに影響を与えるだろう。

日経平均は25日線が支持線として機能しているが、5日線と25日線との短期ゴールデンクロス示現により、今度は上昇する5日線が支持線として意識される。こう着ながらも、もち合いレンジの上限レベルでの推移をみせており、レンジ上限の突破を試す動きはありそうだ。さらに、大型連休を前に積極的なポジションは取りづらいとはいえ、リバーサルの流れは強まりやすい。そのため、景気敏感セクターへの買い戻しとみられる動きは引き続き意識されやすいと考えられる。その他、個人主体の材料株については、信用需給妙味の大きい銘柄などへは、逆日歩を意識した思惑も買いに向かわせよう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 上値の重さよりも下値の堅さを指摘する向きが大勢【クロージング】