[ロンドン市場概況]

2日のロンドン外為市場では、ドル・円は111円29銭から111円40銭で推移した。米国の2月耐久財受注速報値の発表待ちか、全体的に小動きになった。


ユーロ・ドルは1.1194ドルから1.1206ドルで推移し、ユーロ・円は124円68銭から124円79銭で推移した。ユーロ圏の2月生産者物価指数への反応は限定的だった。


ポンド・ドルは1.3076ドルまで上昇後、1.3014ドルまで下落。ブレグジットの混迷が続くなか、英国の3月建設業PMIが引き続き低迷し、ポンド売りが強まった。ドル・スイスフランは0.9990フランから1.0000フランで推移した。

[経済指標]
・英・3月建設業PMI:49.7(予想:49.8、2月:49.5)
・ユーロ圏・2月生産者物価指数:前年比+3.0%(予想:+3.1%、1月:+2.9%←+3.0%)

[要人発言]
・豪政府の来年度(19年7月-20年6月)予算案
「18/19年度のGDP伸び率は2.25%に」
「19/20年度のGDP伸び率は2.75%と予想」
「19/20年度に財政黒字回復へ(71億豪ドル)」(07/08年以来)
「減税と医療・教育・インフラ支出を増額へ」

・フライデンバーグ豪財務相
「豪経済は健全だが、本物で明確なリスクが浮上」
「住宅市場は冷え込み、信用も伸び悩んでいる」
「洪水・干ばつの経済への影響もまだ完全に出ていない」
「貿易摩擦や中国経済の減速もリスク要因」

[ニューヨーク市場寄付]
・ドル・円110円99銭、ユーロ・ドル1.1230ドル、ユーロ・円124円64銭、ポンド・
ドル1.3114ドル、ドル・スイス0.9951フラン。

[ニューヨーク市場概況]


2日のニューヨーク外為市場でドル・円は、111円43銭へ上昇後、111円25銭まで下落して111円32銭で引けた。

米2月耐久財受注速報値が予想を上回り、世界経済への成長減速懸念が後退し堅調推移が継続した。しかし、米中貿易協議を控えているほか、英国の欧州連合(EU)離脱の行方も依然不透明でリスク警戒感も存続。上昇も限定的となった。

ユーロ・ドルは、1.1184ドルまで下落後、1.1216ドルまで反発し1.1205ドルで引けた。

ユーロ圏の2月生産者物価指数が予想を下回り(ECB)が当面低金利政策を維持することが正当化されるとの見方にユーロ売りが継続。その後、英国のメイ首相が行き詰まり打開を目指し超党派の協議を提案したとの報道で一時ユーロのショートカバーが加速した。

ユーロ・円は、124円48銭まで下落後、124円86銭まで反発。

ポンド・ドルは、1.3016ドルから1.3149ドルまで上昇した。

英国の欧州連合(EU)離脱方針が定まらず、マクロン仏大統領やバルニエEU首席交渉官が「合意ない離脱の可能性が非常に強まった」と警告するとポンド売りが加速。その後、メイ首相が緊急声明を発表、行き詰まり打開を目指す超党派の協議を提案したとの報道で、ポンドのショートカバーが加速。

ドル・スイスは、0.9999フランから0.9972フランまで下落した。

[シカゴVIX指数:株式投資家の恐怖心理の度合いを示す指数]

・13.36←13.40日中最大13.68 2018年最大:50.30、過去最低17年8.56

[原油市場概況]


2日のNY原油先物は続伸。年初来高値を更新した。石油輸出国機構(OPEC)による減産に加え、米国の生産が低下していること、大規模停電の影響でベネズエラの石油輸出が滞っていることが供給ひっ迫懸念につながった。

[株式市場概況]


米国株式相場はまちまち。ダウ平均は79.29ドル安の26179.13、ナスダックは19.78ポイント高の7848.69で取引を終了した。前日の株価上昇を受けて、朝方は利益確定の売りが先行。米中交渉を見極めたいとの思惑もあり、上値の重い展開となったものの、2月耐久財受注で設備投資の先行指標となる非国防資本財受注が直近4ヶ月間で3度目のマイナス成長となり、金融緩和が意識されてS&Pやナスダック総合指数は小幅上昇となった。セクター別では、テクノロジー・ハード・機器や不動産が上昇する一方で食品・生活必需品小売や電気通信サービスが下落した。

ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WBA)は、通期見通しを下方修正し、大幅下落。薬剤給付管理会社のCVSヘルス(CVS)も連れ安となった。電気自動車のテスラ(TSLA)は、今週発表の1-3月期出荷台数を見極めたいとの思惑から軟調推移。一方で、航空大手のデルタ航空(DAL)は、クレジットカードのアメリカン・エキスプレス(AXP)との提携を2029年まで延長することを発表し、上昇した。

3月新車販売台数は、フィアット・クライスラー(FCAU)やゼネラル・モーターズ(GM)など大半の自動車メーカーが販売減少となり、個人消費の減速が鮮明となっている。

[通貨オプション]


ドル・円オプション市場で変動率は連日低下した。リスク警戒感を受けたオプション買いが一段と後退した。

リスクリバーサルでは円コールスプレッドが連日縮小。ドル・円下値をヘッジする目的の円コール買いに比べて、円先安感に伴う円プット買いが一段と強まった。

■変動率
・1カ月物5.62%⇒5.38%(08年10/24=31.044%)
・3カ月物6.05%⇒5.92%(08年10/24=31.044%)
・6カ月物6.52%⇒6.42%(08年10/24=25.50%)
・1年物7.07%⇒6.97%(08年10/24=20.00%、21.25%=98年10月以来の高水準)

■リスクリバーサル(25デルタ円コール)
・1カ月物+1.17%⇒+1.08%(08年10/27=+10.90%)
・3カ月物+1.35%⇒+1.31%(08年10/27=+10.90%)
・6カ月物+1.46%⇒+1.43%(08年10/27=+10.71%)
・1年物+1.64%⇒+1.60%(8年10/27=+10.71%)

[経済指標]
・米・2月耐久財受注速報値:前月比-1.6%(予想:-1.8%、1月:+0.1%←+0.3%)
・米・2月耐久財受注(輸送用機除く)速報値:前月比+0.1%(予想:+0.1%、1月:-
0.1%←-0.2%)
・米・2月製造業出荷・資本財(航空機を除く非国防)速報値:前月比0.0%(予想:-
0.1%、1月:+1.0%←+0.8%)

[要人発言]

・クドロー国家経済会議(NEC)委員長
「必要とあればメキシコとの国境を閉鎖へ」

・メイ英首相
「短期の離脱再延期が必要」
「さらなる離脱延期を欧州連合(EU)に要請へ」
「EU離脱問題の行き詰まり打開を目指し超党派の協議を提案」「5月22日前のEU離脱目指す」

・格付け会社フィッチ「米国の格付けAAA確認、見通し安定」

・最大野党・労働党のコービン党首
「メイ首相との会談に非常に満足」

・メイ英首相報道官
「議会は、2回目の国民投票を除外した」
「首相は英離脱問題に関して、妥協する意向」
「離脱問題、両者が妥協する必要」

・トランプ米大統領
「国境の安全保障、貿易より重要」
「パウエルFRB議長とやっていくしかない」

・マクロン仏大統領
「合意ないEU離脱を予想」

・バルニエEU首席交渉官
「合意ない離脱の可能性が非常に強まった」

[東京市場終値-ニューヨーク市場終値]
・為替市場:       (始値) (高値) (安値) (終値)
・ドル・円         111.37   111.43   111.25   111.32
・ユーロ・ドル      1.1198   1.1216   1.1184   1.1205
・ユーロ・円       124.72   124.86   124.48   124.73
・ドル・スイス      0.9995   1.0000   0.9972   0.9981
・ポンド・ドル      1.3048   1.3150   1.3014   1.3138
・株式市場:
・NYダウ         26213.55 26221.24 26122.31 26179.13
・ナスダック       7824.61  7854.92  7811.28  7848.69
・債券市場:       (始値) (終値)
・米国債 2年物       2.323   2.303
・米国債10年物       2.488   2.475
・米国債30年物       2.884   2.878
・先物市場:
・NY金先物         1293.60   1296.40   1291.80    1295.4
・NY原油先物        61.78     62.62    61.78     62.58




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情報提供元: FISCO
記事名:「 英国の合意ない離脱懸念が後退、ポンド安値から反発、1.3149ドル