みなさんこんにちは!フィスコマーケットレポーターの高井ひろえです。最近、友人と話しているうちに商品先物の話題になることがあります。専門商社に勤める友人からは「最近、白金(プラチナ)の価格がどんどん上がっているんだよね~」という話題を振られました。ちなみに白金が使われているのは、身近なところでいうと結婚指輪や、ディーゼル車の排ガスを浄化する際の触媒としてなどです。資源を扱っている商社では資源価格が上がるほど仕入れ値(安く仕入れていた分)よりも高く売ることができ、粗利益(売り上げから仕入れ値などを引いた額)も上がるので、資源価格動向は注目すべき事項なのでしょう。そんなこともあり、友人はあらゆる資源の価格変動を把握しているそうです。友人のような商品先物価格に普段から触れている人は特に、TOCOMリアルトレードコンテストに興味を持つのではないかなあと勝手ながら考えていました。

■白金価格がこれから上昇しうる要因は?
そんな白金価格ですが、これから一段と価格を押し上げうる要因がいくつかあります。まず1つ目が米中通商交渉の進展です。

■そもそも米中貿易交渉って?
そもそも米中通商交渉とは、米国が対中での貿易赤字が大きいので、トランプ大統領がそれを中国側で削減させようと主張しているというものです。米国は中国からの製品に関税をかけ、それに対抗して中国も関税をかけるといったように、まるで戦争のようなやり合いになっていることから「米中貿易戦争」とも呼ばれています。

■貿易戦争で白金価格は一喜一憂?
米国と中国はGDPの世界1位と2位の経済大国なので、貿易戦争が世界景気に大きく影響して、成長が減速してしまうのではという懸念が高まっています。そのため昨年6月に関税が引き上げられたときには白金価格が暴落しました。白金が主に使われる自動車は、景気が悪くなると買い控えとなることが想定されますよね。

■貿易交渉に進展が!
この米中貿易交渉に最近変化がみられてきました。具体的には、トランプ大統領が追加で関税をかけるのを延期したことです。米国側は中国との対立を和らげるために譲歩したと見ることもできます。米中貿易交渉の進展は、白金価格が上昇する要因として注目されます。

■白金価格上昇を見通すレポートも
こういった状況に加えて、金属精錬大手のジョンソン・マッセイ社は2019年の白金価格の需給見通しを改善したと発表しました。白金価格は上昇するとの見通しを出したのです。一部の市場関係者が同社のレポートに注目していることからも、白金価格の上昇に寄与するとみられています。

次回は、白金価格を押し上げる他の要因についても一緒に考えていきたいと思います。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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情報提供元: FISCO
記事名:「 プラチナ価格、米中貿易戦争で一喜一憂!?~もっと知りたい商品先物取引(高井ひろえ)