6日の日経平均は続落。129.47円安の21596.81円(出来高概算10億1000万株)で取引を終えた。中国政府が経済成長率の目標を引き下げたことが引き続き材料視されたほか、米中交渉の動向を見極めたいとの思惑から、模様眺めムードの強い相場展開の中、短期筋の利益確定の流れが優勢となった。21700円を割り込んで始まった日経平均は、その後もじり安基調となり、後場には一時21550.45円まで下げ幅を広げている。大引けにかけて下げ幅を縮めるものの、結局は4営業日ぶりに21600円を下回っての大引けとなった。

東証1部の騰落銘柄は値下り数が1200を超えており、全体の6割を占めている。セクターでは鉱業、小売、医薬品、石油石炭、ゴム製品、ガラス土石、金属製品、機械が軟調。半面、海運、その他製品、サービス、電力ガス、保険がしっかり。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>が1社で日経平均を約51円下押ししていた。

売買代金は6営業日ぶりに2兆円を下回っており、薄商いの中を断続的なインデックス売買に振らされている。ファーストリテについても、本日は下押し役であったが、前日は下支え役であった。週末に先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えて、大きなトレンドが出難いところであり、短期筋の個別物色に向かいやすいだろう。

その動きが顕著に表れていたのが、防衛関連への資金集中であった。韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は、北朝鮮北西部・東倉里のミサイル発射場で、撤去した施設の一部を復旧する動きが把握されたことを明らかにしたとの報道が手掛かり材料となった。また、サンリオ<8136>は、ハローキティ初のハリウッド映画化が材料視され出来高が急増している。方向感の掴みづらい状況の中、一部の材料株に短期筋の資金が集中しやすい需給状況が続きそうである。

また、メジャーSQを控え、日経平均が21500円処での底堅さを見せている点では安心感につながる。しかし、5日線を下回って終えていることもあり、21500円を割り込んでくるようだと、心理的には短期筋の売り仕掛け的な動きが警戒されそうである。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 一部の材料株に短期筋の資金が集中【クロージング】