25日の日経平均は反発。102.72円高の21528.23円(出来高概算10億5000万株)で取引を終えた。大引けでの21500円回復は、昨年12月17日(21506.88円)以来となる。米中通商協議が山場を迎えるなか、トランプ大統領と習近平国家主席との会談を来月に調整していることが報じられ、貿易摩擦解消に向けた両国の合意期待から22日の米国市場は上昇。これに加えて、寄り付き前にはトランプ米大統領が、中国製品に対する関税引き上げを延期する考えをツイッターで明らかにしたことが材料視され、日経平均は21500円を回復して始まった。その後は上海指数が3%を超える上昇といった支援材料があったものの、21500円を上回っての推移とはいえ、狭いレンジでのこう着が続いた。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1500を超えており、全体の7割を占めている。セクターでは、石油石炭のみが下落する一方で、32業種が上昇しており、パルプ紙、電気機器、証券、ガラス土石、非鉄金属、その他製品、保険の上昇率は1%を超えている。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、TDK<6762>、リクルートHD<6098>、中外薬<4519>が堅調。ファナック<6954>、日本ハム<2282>、日産化<4021>が冴えない。

日経平均はギャップアップでのスタートとなったが、買い一巡後はこう着感の強い相場展開だった。上海指数が大きく上昇しており、これが支援材料になるものの、後場の日経平均の値幅は30円程度にとどまっている。トランプ米大統領が対中追加関税の延期を表明したにもかかわらず、22日のシカゴ日経225先物清算値からの上振れは100円程度となった。節目の21500円突破は安心感につながるだろうが、予想よりも反応が限られているとの見方が大勢であろう。グローベックスの米株先物はNYダウで70ドル高程度の反応のため、週明けの米国市場の反応を見極めたいところでもある。

米中貿易摩擦の悪化はひとまず回避されたが、戻りの鈍さによって売り方の買い戻しが一巡したとの見方もされやすいだろう。26日にパウエルFRB(連邦準備制度理事会)議長の半期議会証言が上院で行われ、翌27日には下院で行われる。先週のFOMC議事録では、量的緩和によって膨らんだバランスシート縮小の年内終了について連銀当局者の意見が概ね一致したが、今後の利上げ方針については意見が分かれていた。利上げ打ち止め観測が後退していたこともあり、FRB議長証言の内容が注目されるところであろう。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 売り方の買い戻しが一巡したとの見方も【クロージング】