19日のドル・円相場は、東京市場では110円45銭から110円70銭まで反発。欧米市場でドルは110円82銭まで買われた後に110円49銭まで反落し、110円61銭で取引を終えた。

本日20日のドル・円は、主に110円台半ば近辺で推移か。米長期金利の伸び悩みを意識して、リスク選好的な円売りは引き続き抑制される可能性がある。

19日の欧米市場でドル・円は一時110円82銭まで買われる場面があった。日本銀行の黒田総裁は19日に開かれた衆院財務金融委員会で、「為替相場で円高が進み、経済、物価情勢に影響を与えて2%の物価目標の達成に必要となれば、追加緩和を検討する」との考えを示したことがドル買い・円売り材料となったもようだ。国民民主党の前原議員が、日本と米国の金利差が縮小し、円高になった場合、追加緩和を行なう選択肢があるかどうかについて質問したことに対して、黒田総裁は「経済、物価に対して何らかの形で影響が出てきて、物価目標の達成に必要ということになれば、やはり追加緩和も検討していくことになる」と答えた。

市場関係者の間では、「程度にもよるが、円高進行を阻止するために追加緩和を行なうことは円安誘導と解釈されてしまう」との声が聞かれている。一部で、「米中は人民元相場安定の保証を合意の枠組みに組み入れることで合意」と報じられており、人民元相場の先高観が浮上していることから、日銀が追加緩和を行なうためには、円安誘導と見なされることのない相応の理由を提示することが必要となりそうだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米長期金利伸び悩みでリスク選好の円売り抑制も