30日のドル・円相場は、東京市場では109円44銭から109円21銭まで下落。欧米市場でドルは109円74銭まで買われた後に108円81銭まで反落し、109円03銭で取引を終えた。

本日31日のドル・円は、109円を挟んだ水準で推移か。米利上げ一時停止の思惑が広がっているが、リスク回避的なドル売りは一巡しつつある。新たなドル売り材料が提供されない場合、ドル・円は108円台後半で下げ渋る可能性がある。

今回公表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明文には、追加利上げについて「委員会は忍耐強くなるだろう」との文言が盛り込まれており、米連邦準備制度理事会(FRB)による利上げは一時停止となる可能性がある。FOMC声明文ではインフレについて、「前年同月比で見ると、全体のインフレ率と食品やエネルギー以外のインフレ率はともに2%近くにとどまっている」、「将来のインフレを示す市場ベースの指標はここ数カ月で低下した」と指摘しており、米金融当局は現時点でインフレ加速の可能性は低いと判断しているとみられる。

市場関係者の間では「利上げを一時停止する米金融当局の判断は妥当」との見方が出ているが、「長期金利の低下は一服した」との声も聞かれている。世界経済の減速(成長鈍化のリスク)に対する警戒感は消えていないものの、市場の米金利見通しはすでに下方修正されており、金利見通しのさらなる引き下げにつながる材料が提供されない場合、リスク回避的なドル売りがさらに広がる可能性は低いとみられる。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:リスク回避的なドル売り一巡も