以下は、フィスコソーシャルレポーターの薬味多めで氏(「株式投資ラボ」にて連載、ツイッター:@yakumioomedeを運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2019年1月23日8時45分に執筆

22日(火曜日)の日経平均株価は、前日比96.42円(0.47%)安の20,622,91円と3営業日ぶりに反落して取引を終了しています。カナダで逮捕された中国の華為技術(ファーウェイ)幹部を巡る一部報道が嫌気されたとの見方やIMFが世界の成長率見通しを下方修正したことで、景気敏感株などを中心に売りが出たといった見方となります。

NYダウも5営業日ぶりに反落。前週末に比べ301.87ドル(1.2%)安の24,404.48ドルで取引を終了しています。世界景気減速懸念が強まり、海外売上比率の高い企業を中心に、売り圧力が上昇した格好です。

日経平均先物3月物は前週末比500円安の20,425円となっています。

英国ブレクジット問題では、メイ首相が発表したプランBに対して、野党·労働党は総選挙実施を模索するなど、真っ向からの対立構造に変化はありません。また、長期間の政府機関閉鎖に追い込まれている米国では、延期も囁かれていたトランプ大統領による一般教書演説を、29日に予定通り実施すると発表しました。民主党はトランプ大統領に対して延期を要請していましたが、政権側は強行する模様です。

本日注目したいのは、昨日発表された12月の米中古住宅販売件数。事前コンセンサスでは1.5%減の524万戸であったのに対して、結果は季節調整済み年率で前月比6.4%減の499万戸と大きく減少していることがわかります。

今朝のモーニングサテライトでは、米NAHB住宅市場指数がドル安を示唆し始めたと指摘しています。米NAHB住宅市場指数とは、米国の不動産業者の景況感を示す経済指標となっており、50が好不況感の分岐点とされています。米NAHB住宅市場指数は米国の景況感の先行指標とも言われていますが、1月の数値が58と3ヶ月連続で低下しています。米NAHB住宅市場指数はドルとの連動性が見られ、この指数を1年間ずらすとドル円のチャートと連動するという指摘がされていました。

また、同じく世界経済やコモディティ市況の先行指標とされているバルチック海運指数が、1,000ポイント台まで落ち込みを見せています。

こうしたことから、世界の景気減速懸念は徐々に懸念から現実へと変化してきていることがわかり、今後のマーケットに改めて悲観的な味方が広がる可能性が強まってきています。

本日の日経平均株価は、20,200円から20,600円のレンジを想定しています。想定していた21,000円での売り建ては出来ませんでしたが、基本的には助平心を出さずに、現状の売りポジションのみで値幅を狙っていきます。

為替相場でもやや円高方面に頭をもたげてきています。こちらも、現状積み上げた売りポジションのみで様子を見ていこうと考えています。


■強弱材料
▽ポジティブ材料
・「トランプ米政権の当局者らが金融市場の沈静化のため、対中関税を引き下げる措置を検討」との報道があるも、、具体策は出てきていない状況。
・中国が貿易不均衡の是正計画を提示との報道があるも、具体策は出てきていない状況。
・米朝首脳会談を2月末に開催。

▽ネガティブ材料
・米中覇権争いは継続。大きな進展は見られない状況。お互い面子がある為、振り上げた拳をおいそれと下げられない状況。
・トランプ陣営のロシア疑惑。ロシア当局もトランプ政権側も否定しているが、トランプ米大統領の顧問弁護士であるジュリアーニ元ニューヨーク市長が、「(ロシアと)陣営や陣営関係者が共謀していないとは言っていない。全く分からない」と発言するなどこれまでの姿勢を転換。
・米政府機関の長引く閉鎖。米議会上院は、閉鎖されている一部政府機関の運営を10月1日まで賄う一連の法案について、早ければ22日に採決する計画だが成立の有無に関しては依然不透明。
・NAHB住宅市場指数がドル安を示唆し始めた。米NAHB住宅市場指数はドルとの連動性が見られる。
・米軍のシリア撤退に伴う中東パワーバランスの変化。
・米国のミサイル防衛見直し(MDR)に伴う米露対立。
・中国の景気減速懸念。2018年の実質成長率は6.6%と28年ぶりの低水準。
・英国ブレクジット問題では、英国議会の機能不全。可能性のある代替案は示されておらず、合意なき離脱による混乱の危険性が増している。
・EUの景気減速。とくに、これまで経済を牽引してきたドイツの落ち込みが顕著に出始めてきている。
・FRBの金利引き上げ減速に伴う円高圧力が見え隠れしている。
・バルチック海運指数が1,000ポイント台に低下。


■今日のポジション·トレード戦略
以下は、短期目線でのスウィングトレードの私が構築しているポジションとなります。長期的なポジションとしては、投資信託を中心に構築。長期ポジションに関しては、今後機会があれば記事にしていきたいと思います。

日本株:売り継続。先週、20,500円での追加売り実施。21,000円で、さらに追加売り予定。

ドル円:売り継続。先週、109.50円での追加売り実施。110円で、さらに追加売り予定。昨日まで出現していた110円40銭までの上昇ターゲットは、昨日の下落で一旦消えています。



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執筆者名:薬味多めで
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情報提供元: FISCO
記事名:「 薬味多めで:ドル円との連動性が高い米NAHB住宅市場指数が急激に低下【FISCOソーシャルレポーター】