15日の日経平均は続伸。195.59円高の20555.29円(出来高概算13億4000万株)で取引を終えた。中国の貿易は輸出と輸入の両方が予想外に減少し、貿易戦争と景気減速の影響を浮き彫りにした。シカゴ先物は安いところで節目の2万円を下回る局面もみられていたこともあり、やや売り先行で始まった。しかし、寄り付き直後の20204.43円を安値に切り返しをみせており、前引け段階で20500円を回復。後場は60円程度の狭いレンジでの取引が続いたが、20500円を上回っての推移が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1400を超えており、全体の7割近くを占めている。セクターでは精密機器、機械、電気機器、その他製品が2%を超える上昇となった半面、電力ガス、陸運、食料品、医薬品が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、オリンパス<7733>、東エレク<8035>、京セラ<6971>、TDK<6762>がけん引。

日経平均は寄り付き後早い段階で上昇に転じており、ファンド筋の買い戻しとみられる動きが強まったようである。為替市場ではドル円が1ドル108円70銭台と朝方からは円安に振れて推移したことが安心感につながった。トランプ米大統領は、通商合意について順調ぶりをアピール。また、中国国家発展改革委員会(発改委)は、追加刺激策を示唆したとして上海市場が強含みに推移したことも、買い戻しに向かわせたようである。

英下院は15日、メイ首相が欧州連合(EU)と合意した離脱協定案を採決する。否決の公算が大きいということは想定内ではあるが、市場反応は予想できていないため模様眺めムードが強まりやすいが、それ故に一旦はショートを買い戻す格好にもなったであろう。欧州市場が不安定な流れとなるようだと、改めて景気敏感株へはショートが積み上がりやすい。不安材料がある中でリバウンドが続いており、目先的には日経平均の25日線が位置する20800円近辺までは意識されやすい。13週線が位置する21150円処までのリバウンドをみせたとしても、調整トレンドの中での上昇となるため、次第に強弱感が対立してきそうだ。




<CN>

情報提供元: FISCO
記事名:「 買い戻し先行も調整トレンドの中での上昇【クロージング】