10日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米政府機関閉鎖の影響が重石に
■前場の注目材料:イオン、3Q営業利益6.0%増、コンセンサスの範囲内
■トヨタ自、運転支援、事故を回避、「ガーディアン」システム、CESで公開


■米政府機関閉鎖の影響が重石に

10日の日本株市場は、底堅さは意識されるものの、こう着感の強い相場展開になりそうだ。9日の米国市場は、米中貿易摩擦解決への期待やFOMC議事録で大半の当局者が今後の追加利上げに対して慎重な姿勢を示したことも好感されNYダウ、ナスダックともに上昇した。しかし、連邦政府機関の閉鎖解除に向けたトランプ大統領と民主党幹部との会談が不調に終わったことが重石となっている。シカゴ日経225先物清算値は大阪比170円安の20250円。円相場は1ドル108円10銭台とやや円高に振れて推移している。

トランプ大統領は「国境の壁」を巡る議会指導部との協議を途中退席した。ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)が始まる今月22日までに連邦政府機関の一部閉鎖が解除されない場合、トランプ大統領の会議出席を取りやめることを検討していると伝えられている。中国副主席がダボス会議に出席する事でトランプ大統領との会談の可能性から米中貿易摩擦を巡る意見交換などへの期待もあるが故に、神経質にさせそうである。

また、決算シーズンを迎える中で、今日予定されている安川電機<6506>の結果および市場反応を見極めたいとする模様眺めムードも強い。米国についても決算発表が本格化する中、アップル同様、中国貿易紛争の影響から下方修正等が続くようだと、センチメントを悪化させる一因になろう。

そんな中、マザーズ指数は4営業日続伸で心理的な抵抗である25日線に接近してきている。抵抗線突破で勢いを付けたいところだが、昨日のサンバイオ<4592>の最高値更新により、個人のセンチメントを明るくさせる。マザーズ指数の抵抗線突破で一段とリバウンド基調が強まる可能性があり、目先は中小型株に資金が向かいやすいだろう。また、小売企業の決算を手掛かりとした個別物色のほか、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)を手掛かりとしたテーマ物色が意識される。

■イオン、3Q営業利益6.0%増、コンセンサスの範囲内

イオン<8267>は9日、第3四半期決算を発表。営業収益は前年同期比2.1%増の6兆3393.64億円、営業利益が同6.0%増の1090.11憶円だった。営業収益、営業利益が第3四半期連結累計期間として過去最高を更新し、各段階における利益についても前年同期と比べ増益となった。なお、営業利益はコンセンサス(1150憶円程度)を下回っているが、2Q時点で下回っていたこともあり、3Q(9-11月)としてはコンセンサスの範囲内。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(20427.06、+223.02)
・NYダウは上昇(23879.12、+91.67)
・ナスダック総合指数は上昇(6957.08、+60.08)
・SOX指数は上昇(1189.84、+29.29)
・VIX指数は低下(19.98、-0.49)
・米原油先物は上昇(52.36、+2.58)
・米長期金利は低下
・日銀のETF購入
・企業業績改善への期待感

・キヤノン<7751>デジタル開発に1000人、人材再配置加速
・シャープ<6753>8Kカメラ参入、CES、消費者向け、高解像度体験
・ヤマハ発<7272>自動運転ソフト搭載、電動小型低速車両発売
・ガイシ<5333>山梨に新工場、来年10月稼働、複合ウエハーなど増産
・逆境の日産自<7201>、新型車で勝負 「リーフe+」23日発売

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・09:30 黒田日銀総裁あいさつ(支店長会議)

<海外>
・10:30 中・12月消費者物価指数(前年比予想:+2.1%、11月:+2.2%)
・10:30 中・12月生産者物価指数(前年比予想:+1.6%、11月:+2.7%)



<SF>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~米政府機関閉鎖の影響が重石に