12日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:リスク回避ではなく、FANGなどハイテク株へのショート筋の仕掛け
■前場の注目材料:ファーストリテ、19/8期営業益2700億円計画でコンセンサス上回る
■京セラ<6971>、電波強度、金属・水付近でも維持、小型・薄型アンテナ

■リスク回避ではなく、FANGなどハイテク株へのショート筋の仕掛け

12日の日本株市場は引き続き波乱含みの相場展開になりそうだ。11日の米国市場ではNYダウが545ドル安と連日で大幅下落となった。長期金利が低下したことで下げ幅を縮小し、一時はプラス圏に浮上する局面もみられたが、その後に急落している。シカゴ日経225先物清算値は大阪比95円安の22485円。円相場は1ドル112円10銭台で推移している。

昨日の日経平均は一時1000円を超える下落となり、26週線まで下げてきたことから、いったんは自律反発も意識されやすいところであろう。ただし、FANG銘柄などハイテク株への売りは続いており、世界的なハイテク株売りが引き続き警戒されるところである。きっかけとなったソフトバンクG<9984>の急落であるが、こちらも26週線までの下落によって自律反発が意識されやすいが、戻り待ちのショート筋の動きには注意が必要とみる。

米中貿易摩擦は泥沼化しているが、トランプ政権の通商チームは、中国の侵略的政策から米企業を守る必要があると考える。米国はハイテク技術の獲得をめざす中国の投資食い止めにも手を打っていると伝えられている。例えばソフトバンクG傘下で半導体設計を手掛ける英アームは、状況悪化となれば中国の半導体企業に対するロイヤルティ収入の先行きが不透明要因となる。

そのため、今回の急落はリスク回避というよりも、FANG株などハイテク株へのショート筋の仕掛けとも考えられる。とりわけ指数インパクトの大きいソフトバンクGの急落によって日経平均は大きく下げているが、ハイテク株以外でイレギュラー的に下げている好業績銘柄などへの押し目を冷静に拾いたいところである。また、決算発表が徐々に出てくる中では、好決算銘柄に対する物色はみられている。特にこういった相場環境なだけに、好決算銘柄には資金が集中しやすいところであり、大きく値幅が出やすい面もある。決算を手掛かりとした短期的な値幅取り狙いが中心になろう。


■ファーストリテ、19/8期営業益2700億円計画でコンセンサス上回る

ファーストリテ<9983>は11日、2018年8月期決算を発表。営業利益は前期比33.9%増の2362億円となり、会社計画の2250億円を上回った。海外の収益が大きく伸びた。冬・夏物とも好調だった国内の伸びを上回り、ユニクロ事業の海外売上高は通年で初めて国内を上回った。また、19年8月期は14.3%増の2700億円を見込んでおり、コンセンサス(266億円)を若干上回る格好。


■前場の注目材料

・米長期金利は低下
・好調な企業業績
・補正予算への期待
・日銀のETF購入

・三井E&S<7003>、中国合弁、新造船市場で生き残り
・京セラ<6971>、電波強度、金属・水付近でも維持、小型・薄型アンテナ
・帝人<3401>、無線在庫管理システム開発、ローソンで実証実験へ


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・08:50 9月マネーストックM3(前年比予想:+2.5%、8月:+2.5%)

<海外>
・09:30 豪・8月住宅ローン件数(前月比予想:-1.0%、7月:+0.4%)
・09:30 豪準備銀行が金融安定報告書公表





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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~リスク回避ではなく、FANGなどハイテク株へのショート筋の仕掛け