11日の日経平均は大幅下落。915.18円安の22590.86円(出来高概算19億5000万株)で取引を終えた。10日の米国市場では米長期金利の上昇が嫌気されたほか、米中関係悪化への警戒感が広がり、NYダウは830ドル超の急落となった。これを受けてシカゴ日経225先物清算値は大阪比730円安の22800円とあっさり23000円を下回るなか、幅広い銘柄に売りが先行した。ほぼ全面安商状の中、とりわけ指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ファナック<6954>、ユニファミマ<8028>、TDK<6762>などが日経平均を押し下げる格好となった。売り一巡後はこう着感の強い相場展開となり、アジア市場やグローベックスのNYダウ先物の弱い値動きが嫌気され、後場半ばには22459.02円まで下げ幅を広げる局面もみられた。

東証1部の騰落銘柄は値下り数が2000を超え、全体の97%を占める全面安に。セクターでは33業種全てが下げており、石油石炭、鉱業が5%を超える下げとなったほか、機械、精密機器、非鉄金属、証券、電気機器、ガラス土石、化学、海運が4%を超える下落となっている。

インデックスに絡んだ売りから全面安となったほか、NYダウ先物の下落からヘッジに伴う先物売りが、さらに裁定解消売りにつながる格好で、日経平均は一時1000円を超える下落ながらも、底入れ感が意識されない相場展開となっている。日本主導での反発は期待しづらく、引き続き、米国市場の動向を睨みながらの状況を余儀なくされそうである。また、マザーズ指数が4.8%の下落となるなど、中小型株の下げもきつい。直近のテリロジー<3356>の急落で需給悪化が警戒されていたとはいえ、追加追証が加速的に出てくる需給状況であり、打診的な買いも入れづらいところ。

ただ、決算発表が徐々に出てくる中では、好決算銘柄に対する物色はみられている。特にこういった相場環境なだけに、好決算銘柄には資金が集中しやすいところであり、大きく値幅が出やすい面もある。決算を手掛かりとした短期的な値幅取り狙いが中心になろう。



<AK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 米国動向を睨みつつ、目先は決算を手掛かりとした値幅取り狙い【クロージング】