2日の欧米外為市場では、ドル・円は上げ渋る展開を予想する。パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今晩の講演で利上げ継続の方針を示し、ドルの買われやすい地合いが続く見通し。ただ、新たな材料は出にくく、ドル買いは限定的になりそうだ。

ドル・円は9月末に年初来高値を上抜け、さらに上値を追う展開が見込まれていたものの、114円付近の利益確定や戻り待ちのドル売りに上昇を阻止されている。前日の欧米市場では114円を挟んだ値動きが継続したことで、本日のアジア市場では上値の重さが嫌気され、日経平均株価の反落時にやや値を下げる場面があった。この後の欧米株式市場では先物の軟調地合いで弱含みが予想され、株安を意識した円買いに振れやすい展開となりそうだ。

今晩は、パウエル米FRB議長の「雇用・物価見通し」をテーマとした講演が焦点。金融政策に関しては9月25-26日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)の声明に沿った内容が見込まれる。雇用情勢の改善やインフレの上昇など好調な経済指標を背景に2020年まで利上げスタンスを緩めない方針を示す見通し。イタリア財政やブレグジット問題で欧州通貨が買いづらいなか、議長の発言はドル買いの手がかりになりやすい。ただ、新たな材料は出にくく、ドル買いは限定的となるだろう。一方、前日のトランプ大統領の記者会見を受け、日本車の輸入関税に思惑が広がり、27年ぶりの高値圏に上昇した日本株への影響から円買いも想定したい。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・17:30 英・9月建設業PMI(予想:52.9、8月:52.9)
・18:00 ユーロ圏・8月生産者物価指数(前年比予想:+3.8%、7月:+4.0%)
・23:00 クオールズ米FRB副議長証言(上院銀行委員会)
・01:45 パウエル米FRB議長講演(雇用・物価見通し、全米企業エコノミスト協会)
・03:00 カプラン米ダラス連銀総裁講演




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し:ドル・円は上げ渋りか、FRB議長発言を好感も新たな材料難