11日の日経平均は続伸。291.60円高の22664.69円(出来高概算13億4000万株)で取引を終えた。10日の米国市場は、米中貿易摩擦懸念が根強いほか、トランプ大統領がツイートで携帯端末のアップルに対して米国への生産移管を要求するなど上値の重い展開となったが、半導体大手AMDが9%を超える上昇となるなど、ハイテクの一角の強い動きが支援材料となった。また、円相場が1ドル111円40銭台と円安に振れて推移したことや、台風・地震被害によるインフラ復旧・復興が進んでいることも、安心感につながっている。ただし、週末の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)が控えているなか、リバランスの商いが中心であり、225型優位状況のなか、TOPIXの伸びが鈍かったほか、中小型株についてもこう着感が強く、手掛けづらさが窺えた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1000を超えており、辛うじて過半数を占めている状況。日経平均が300円近い上昇ながらも、売買代金は2兆1000億円にとどまっている。セクターでは石油石炭、医薬品、食料品、鉱業、陸運、証券、その他製品がしっかり。一方で、鉄鋼、保険、パルプ紙、水産農林、建設が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、ファーストリテ<9983>、ソフトバンクG<9984>、ユニファミマ<8028>、アステラス製薬<4503>、ダイキン<6367>がけん引など、ややディフェンシブ物色に。

日経平均は1.30%の上昇で5営業日ぶりに22600円を回復し、25日線を上放れたが、TOPIXは0.67%の上昇で、ようやく5日線を突破する格好であり、プラス圏をキープしたマザーズについても0.19%の上昇にとどまっており、225型優位の需給状況となっている。また、メジャーSQを控えたリバランスの商いが中心との見方が大勢であり、引き続き方向感の掴みづらい状況であろう。

日経平均が強含みで推移する中で、中小型株への追い風とならなかったことも不安感につながる。中小型株ではテリロジー<3356>やサンバイオ<4592>辺りに終日資金流入がみられていたが、物色対象に広がりが見られず、積極的な参加者は限られている状況であろう。マザーズ指数は1000Pt堅めから直近の上値抵抗となる1050Ptを突破し、一目均衡表の雲下限を突破してくるなどのシグナルが必要である。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 中小型株不調で日経平均の上昇インパクト感じられず【クロージング】