21日の日経平均は小幅に上昇。20.73円高の22219.73円(出来高概算10億6000万株)で取引を終えた。20日の米国市場は、貿易摩擦の緩和に向けた米中協議への期待から上昇となったが、トランプ米大統領は連邦準備制度理事会(FRB)が実施している利上げに不満を示したと報じられるなか、円相場は1ドル109円台後半と円高に振れ、日経平均は売り先行で始まった。その後、22053.14円まで下げ幅を広げる局面もみられたが、中国・上海市場の上昇が安心感につながると、後場寄り付き直後には22300円を回復。しかし、菅官房長官が講演で「携帯電話料金は今より4割程度下げる余地がある」と述べたと伝わると、ソフトバンクG<9984>、KDDI<9433>、NTTドコモ<9437>が急落し、日経平均の重石となっている。

東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が1400を超えており、全体の7割近くを占めている。セクターでは、医薬品、パルプ紙、証券、化学、その他金融が小じっかり。半面、情報通信、サービス、卸売、ゴム製品、保険、非鉄金属、銀行が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、通信キャリア3社やユニファミマ<8028>の下落を、ファーストリテ<9983>、テルモ<4543>、TDK<6762>、東エレク<8035>、エーザイ<4523>、中外薬<4519>、ファナック<6954>が支えた。

日経平均は通信キャリア3社やユニファミマの下落影響がありながらも、上昇して終えた。調整トレンドが継続しているが、対中追加関税の公聴会とジャクソンホール会議という2大イベントを控えていること、トルコが休場となることから、一先ず売り込みづらさが意識された格好である。また、結局は下げに転じているものの、マザーズ指数は一時プラスに転じる局面もみられた。資金の逃げ足の速さから昨日強かった銘柄は値を消し、売られていた銘柄には見直し買いが入るといった動きではあろうが、需給懸念がくすぶるなかでも、押し目を拾う動きが出始めている点は評価できよう。引き続きイベントを控えて全般はこう着相場が続きやすく、中小型株へのシフトに向かわせよう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 押し目を拾う動きが出始めている点は評価【クロージング】