10日のドル・円相場は、東京市場では111円17銭から110円61銭まで反落。欧米市場でドルは一時110円51銭まで下落し、110円93銭で取引を終えた。

本日13日のドル・円は、110円台で推移か。トルコリスクは除去されていないこと、米中貿易摩擦激化への懸念は残されていることから、日経平均株価が続落した場合、ドルは110円台後半で上げ渋る展開が予想される。

トルコリラの大幅下落は欧州の複数の大手金融機関の経営悪化につながるとの懸念は後退していないことから、13日早朝のアジア市場でユーロ・ドルは一時1.1372ドルまで下落した。市場関係者によると、トルコの民間企業は自国通貨安に対する備え(リスクヘッジ)が不十分とみられている。通貨安によって外貨建て債務の返済負担は一段と重くなっており、企業経営を圧迫しているようだ。市場関係者の大半は、トルコリラ安はトルコ経済に悪影響を及ぼしつつあると考えている。

なお、報道によると、トルコのアルバイラク財務相は「市場沈静化のために必要な措置を講じ、必要な発表を行う」、「為替変動によって最も影響を受けている中小企業などのためにわが国の銀行と共に行動計画を準備している」と表明した。トルコ政府の行動計画を市場が評価すればトルコリラ安は一服し、リスク回避的な円買いは縮小するとみられる。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:トルコリスク存続などを意識してドルは対円で伸び悩む可能性