1日の日経平均は続伸。192.98円高の22746.70円(出来高概算17億6000万株)で取引を終えた。米国市場では、米国と中国が全面的な貿易戦争の回避を目指して交渉再開を模索しているとの報道を受けて買いが先行。注目されている米アップルは、決算が予想を上回って時間外で上昇していた流れもあり、日経平均は続伸して始まった。その後は前日の金融政策決定会合を受けて、日銀がどこまで金利上昇を許容するのか試す動きに対する思惑のなか、日銀が指し値オペの通知をしなかったことを受けて長期金利が上昇。為替市場では円相場が1ドル112円台と円安ドル高方向での推移をみせるなか、日経平均は後場半ばには22775.47円まで上げ幅を広げる局面もみられた。その後も日中高値圏での相場展開が続いた。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1100を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは鉄鋼、非鉄金属、その他製品、銀行、保険、海運、パルプ紙が堅調。一方で空運、金属製品、その他金融、不動産、建設、水産農林、倉庫運輸が冴えない。指数インパクトの大きいところでは、京セラ<6971>、日東電<6988>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ソフトバンクG<9984>、ソニー<6758>、エーザイ<4523>、ホンダ<7267>がけん引。

市場は日銀の動きを睨みながらの相場展開となっており、指し値オペの活用を確認しながらの物色になろう。指し値オペの見送り→長期金利上昇→銀行など金融セクターへの資金流入がみられている。また、フォワードガイダンスという金融政策の指針を導入して、現行の緩和政策が続くというメッセージを打ち出しており、円相場は円安方向での推移となり、市場の安心感につながっている。

その他、決算発表がピークを迎える中、指数インパクトの大きいところでも、決算評価で上昇している銘柄が目立っている。市場が落ち着きをみせるなか、決算を手掛かりとした物色がより活発化しそうである。なお、朝方に伝えられた報道で、米国が中国輸入品2000億ドルへの関税引き上げ計画が伝えられていた。市場反応は鈍かったが、市場がこういった報道にも底堅さをみせてくることで、ショーカバーを誘う流れにもなろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 指し値オペの活用を確認しながらの物色に【クロージング】