26日の日経平均は小反落。27.38円安の22586.87円(出来高概算12億5000万株)で取引を終えた。トランプ米大統領とEU首脳の通商協議を受けて貿易戦争への警戒感が和らいだことが材料視される一方で、本格化する決算発表の中で指数インパクトの大きいファナック<6954>の弱い値動きが重石となった。また、「日銀は31日の金融政策決定会合で年6兆円買っている上場投資信託(ETF)の購入配分の見直しを検討する」と報じられると、日経平均先物を売ってTOPIX先物を買う取引が優勢になり、日経平均へのインパクトの大きいファーストリテ<9983>の弱い値動きなども不安材料となった。

東証1部の騰落銘柄は値上がり数が1700を超えており、全体の8割を占めている。セクターでは医薬品、情報通信、証券の3業種が下落。鉱業、陸運、ガラス土石、建設、電力ガス、パルプ紙、金属、水産農林、その他金融、石油石炭などの強さが目立った。指数インパクトの大きいところでは、アドバンテスト<6857>の好決算を受けて同社のほか、東エレク<8035>が堅調。一方で、エーザイ<4523>、ソフトバンクG<9984>、ファーストリテ、ファナックの4銘柄で日経平均を約140円程度下押している。

日銀によるETF配分見直し報道を受けて、NT(日経平均/TOPIX)の修正が強まっている。東証1部の値上がり数が8割を超える中で、日経平均は反落といった格好である。ETF配分見直しについてはこれまでも幾度か報じられていたが、ファーストリテのここにきての急ピッチの調整もあってか、この流れが強まっている。インデックス連動の資金は大きく、一旦この動きが加速してくるようだと、パフォーマンスの観点からもよりポジション変更が強まりやすい。且つ、短期のヘッジファンドなどは指数インパクトの大きい値がさ株を対象に、売り仕掛けてくる動きも意識されそうだ。

また、決算発表が本格化している。決算評価もみられているが、一方で失望から大きく売り込まれる銘柄も目立っている。先回り的な商いは限られ、結果を見極めるまでは積極的な売買は手控えられる可能性がありそうだ。明日以降、7月末にかけて第一弾のピークを迎えるため、個別物色の流れになろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NT修正の流れ強まる、値がさ株には売り仕掛けも【クロージング】