4日のドル・円相場は、東京市場では110円61銭から110円28銭まで下落。欧米市場でドルは110円56銭から110円42銭まで反落し、110円49銭で取引を終えた。

本日5日のドル・円は、主に110円台半ばで推移か。中国による対米追加関税発動観測など通商問題を巡る米中の対立は続いており、リスク選好的なドル買い・円売りは引き続き抑制される可能性がある。

中国財政省は4日遅く「米国より早く関税を発動させることはない」との声明を発表した。複数のメディアは時差の関係上、中国が米国より早く発動させる見込みだと報じていたが、中国側はこの報道を否定した。米政府は6日から340億ドル相当の中国製品に対し関税を課す予定だが、中国政府は報復行動を取ることに変わりはない。

通商問題を巡る米中の対立が続いた場合、中国の輸出産業は大変厳しい状況に陥る可能性が高いことから、中国人民銀行は為替相場を人民元安の方向に誘導する可能性は残されている。中国人民銀行(中央銀行)の総裁と副総裁は、人民元安を放置しない方針を表明しており、これを受けて市場関係者の間からは「中国が大規模な市場介入を行う可能性は低い」との声が聞かれている。ただし、人民元相場の動向は中国本土株や日経平均株価に影響を及ぼすケースが多いことから、当面は人民元相場の動向を注意深く観察することが必要となりそうだ。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:リスク選好的な円売りは引き続き抑制される可能性