29日のドル・円相場は、東京市場では109円47銭から108円71銭まで反落。欧米市場でドルは109円11銭から108円11銭まで反落し、108円77銭で取引を終えた。

本日30日のドル・円は、108円台半ばで推移か。イタリアの政局不安や米中貿易摩擦問題の長期化が嫌気され、リスク回避目的の円買いが活発化している。日経平均株価の動きをにらみ、108円台前半から半ばでの神経質な展開が予想される。

イタリアでは欧州連合(EU)懐疑派による連立政権の成立が頓挫したことから、再選挙の可能性が浮上。また、スペインではラホイ首相への不信任決議案が6月1日に採決される見通しとなったことから、市場では南欧の政局不安への懸念が広がった。これを受けて、欧米株式市場が下落し、リスク回避目的の円買いが加速。また、米長期金利の下落もドル売りを促している。また、米国が対中制裁を続ける方針を明確に示したことも、米中貿易摩擦問題が長期化するとの見方が強まったことも、ドルの圧迫材料となっている。

ただ、サンダース米大統領報道官が29日、米朝首脳会談を6月12日開催に向けて準備していると報じられており、史上初の米朝首脳会談実現への期待感がドルを下支えしている。本日の東京市場は主に108円台半ばで推移すると予想されるが、日経平均株価が軟調に推移した場合は、海外市場で付けた安値である108円11銭を下回る可能性は残されている。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:リスク回避の円買い継続の可能性も