15日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:米半導体株高が下支え
■決算チェック:三井住友、18年3月期純利益は比4%増の7343億円
■前場の注目材料:富士フイルム、富山化学を完全子会社化、新薬開発強化


■米半導体株高が下支え

15日の日本株市場はこう着ながらも先高観の強い相場展開が続きそうである。14日の米国市場では貿易摩擦問題を巡る米中協議への進展期待から買い先行の展開だった。米クアルコムが提出したNXPセミコンダクターズ買収の承認申請を巡り、中国当局が審査を再開したと報じられるなか、NXPセミコンダクターズが11%超の上昇。その他、AMD、マイクロン・テクノロジーの上昇が目立つなど、半導体関連の上昇が支援材料になりそうだ。

一方で、在イスラエル米大使館のエルサレム移転に伴う抗議活動で多数の死傷者が出るなど地政学リスクへの警戒感が重しとなるほか、国内での政治リスクも警戒されており、上値追いは慎重になりやすいところである。そのため、決算を手掛かりとした個別での日替わり物色が中心になりやすい面はある。

とはいえ、決算は本日でピークを通過する。決算が一巡するなか、インデックスに絡んだ物色から、業績評価のほか、相対的に出遅れているセクターや銘柄への見直しの流れに広がりがみられてくるかが注目されよう。日経平均は約3ヶ月ぶりの高値水準を回復している。週間形状では1月末から2月上旬の下落局面で空けたマドを埋めつつあり、マド埋めとなる節目の23000円が引き続き意識されてきそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■三井住友、18年3月期純利益は比4%増の7343億円

三井住友<8316>が14日発表した2018年3月期決算は、純利益が前期比4%増の7343億円だった。期初の業績見通しは11%減の6300億円。国内外の底堅い景況感や株式市場の動向で大幅に業績が上振れした。19年3月期は7000億円を見込む。コンセンサスを若干下回る格好ではあるが、株価は足元で低迷していることもあり、アク抜けが意識されやすいだろう。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(22865.86、+107.38)
・NYダウは上昇(24899.41、+68.24)
・ナスダックは上昇(7411.32、+8.43)
・SOX指数は上昇(1367.50、+17.04)
・米原油先物は上昇(70.96、+0.26)
・1ドル109円60−70銭
・シカゴ日経225先物(22880、大阪比+20)
・日銀が大規模緩和継続

・富士フイルム<4901>、富山化学を完全子会社化、新薬開発強化
・NTN<6472>、モーター内蔵軸受小型化、既存車種に対応


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・11:00  中・鉱工業生産指数(4月)  6.4%  6.0%
・11:00  中・小売売上高(4月)  10.0%  10.1%
・11:00  中・固定資産投資(都市部)(4月)  7.4%  7.5%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~米半導体株高が下支え