7日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は3日ぶり反発、22500円水準で主力企業の決算待ち
・ドル・円はもみあい、109円付近は売りも
・値下がり寄与トップはNTTデータ<9613>、同2位はアステラス薬<4503>

■日経平均は3日ぶり反発、22500円水準で主力企業の決算待ち

日経平均は3日ぶり反発。69.26円高の22536.42円(出来高概算8億6000万株)で前場の取引を終えている。

トランプ米大統領がイラン核合意に関する米国の方針を現地時間8日(日本時間9日未明)に発表することを明らかにし、円相場はイラン情勢の緊迫化への懸念などから1ドル=108.80円台まで強含む場面があった。本日の東京市場ではこれを嫌気した売りが先行し、日経平均は26円安からスタートした。ただ、7日の米国市場ではNYダウが3日続伸しており、寄り付き後の日経平均は欧米株が堅調なことを好感した買いにより22566.68円(99.52円高)まで上昇する場面があった。

個別では、欧州製薬大手シャイアーに対し正式に買収提案すると報じられた武田薬<4502>が2%超高で前場を折り返した。東京電力HD<9501>は5%高と大幅続伸。その他では任天堂<7974>、三菱UFJ<8306>、コマツ<6301>などが堅調で、ソフトバンクG<9984>やキーエンス<6861>は小高い。一方、ソニー<6758>、ファーストリテ<9983>、トヨタ自<7203>などが小安く、日本電産<6594>や日産自<7201>は軟調。セクターでは、水産・農林業、その他金融業、金属製品などが上昇。反面、鉱業、パルプ・紙、石油・石炭製品がさえない。

朝安後に切り返した日経平均だが、2日高値22568.19円を前に上げ一服感もあり、この水準が心理的な抵抗として意識されていることが窺える。明日のトヨタ自など主力企業の決算発表が控えているとあって、積極的に上値を追う動きは取りにくいだろう。後場の取引時間中には三菱商<8058>など大手商社の決算発表が予定されており、個別対応中心の相場展開が続きそうだ。なお、トヨタ自は異例となる取引時間中の決算発表を予定しており、市場では思惑も広がっているようだ。

新興市場ではマザーズ指数の堅調ぶりが目立つ。週後半には決算発表の第2のピークを迎えるため、幕間つなぎ的な物色である可能性も考慮する必要はあるだろう。ただ、マザーズ指数は抵抗として意識されていた25日移動平均線を上抜けしており、決算発表一巡後の本格的な出直りへの期待が高まりやすい。


■ドル・円はもみあい、109円付近は売りも

8日午前の東京市場で、ドル・円はもみあい。節目の109円付近は売りが強まる一方、108円台は押し目買いが入りやすく、方向感の乏しい値動きとなった。

ドル・円は、109円10銭付近から売りに押される展開となり、節目の109円を割り込んだ。ただ、日経平均株価の切り返しを手がかりとした押し目買いも観測され、109円付近に戻している。

ランチタイムの日経平均先物は堅調地合いとなり、日本株高継続への期待感からドル買い・円売りに振れやすい。しかし、109円付近は引き続き売りが強まっており、目先も上値の重い展開となりそうだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は108円86銭から109円14銭、ユーロ・円は129円89銭から130円12銭、ユーロ・ドルは1.1912ドルから1.1939ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・麻生フオーム<1730>やプラット<6836>など5銘柄がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはNTTデータ<9613>、同2位はアステラス薬<4503>


■経済指標・要人発言

・カプラン米ダラス連銀総裁
「短期の循環的な動きが強まっている」

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・12:45 10年国債入札の結果発表

<海外>
・14:45 スイス・4月失業率(予想:2.9%、3月:2.9%)
・15:00 独・3月鉱工業生産(前月比予想:+0.8%、2月:-1.6%)
・15:00 独・3月貿易収支(予想:+225億ユーロ、2月:+185億ユーロ)
・16:15 パウエル米FRB議長が討論会参加(スイス中銀/IMF主催)
・16:30 英・4月ハリファックス住宅価格(前月比予想:-0.2%、3月:+1.5%)






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情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~22500円水準で主力企業の決算待ち