23日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:決算を手掛かりとした個別物色へ
■決算チェック:コニカミノルタの19年3月期営業利益は2割増の公算、想定以上の回復
■前場の注目材料:三井E&SHD、廃炉ロボ開発、耐放射線性2倍、センサーなしで制御


■決算を手掛かりとした個別物色へ

今週は決算発表シーズン入りとなるため、決算内容を見極めたいとする模様眺めムードは次第に高まりやすいだろう、そのため、こう着感の強い相場展開が続きそうである。日経平均は5日線が支持線として機能し売り込みにくさがある一方、価格帯別出来高では、ここから22300円-22500円処では商いが積み上がっている水準であり、戻り待ちの売り圧力も意識されてくる。また、国内政治リスクも上値の重しとなる。財務省の官僚トップ2人が辞任したなか、訪米から帰国した安倍総理の舵取りが注目される。麻生財務大臣の責任問題が大きくなると相場にとってマイナス材料となる。

決算では米国で23日グーグル、25日フェイスブック、ツイッター、26日アマゾン、マイクロソフト、インテルが決算を控え、こちらも相場の波乱要因となる可能性がある。国内企業の決算では、24日の日本電産<6594>を皮切りに、東京エレクトロン<8035>、ファナック<6954>、ソニー<6758>、村田製作所<6981>等が予定されている。

また、週末には、韓国と北朝鮮の南北首脳会談のほか、米独首脳会談なども開催予定。貿易摩擦問題の再燃などには注意も。国内では週末からGWに突入することもあって、主要企業の決算発表を受けたトレンドが生じるには時間を要しよう。決算を受けた個別物色が中心の展開が想定される。物色テーマとしては、先週末にIPOのHEROZの株価推移次第でAI関連、北京モーターショー開催でEV関連や仮想通貨関連などに関心が集まろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■コニカミノルタの19年3月期営業利益は2割増の公算、想定以上の回復

コニカミノルタ<4902>の19年3月期営業利益は前期推定比2割増の600億円強になりそうだと報じられている。売上高は同9%増の1兆1000億円弱と見込まれている。カラー複合機や、メールや商品受発注の管理など高いネットワーク機能を持つ新製品に力を入れ、採算性を高めるという。また、前期に構造改革費用が膨らんだ反動が出るうえ、人件費など固定費も減少する。為替は1ドル=105円、1ユーロ=125円前後を見込んでおり、前期より円高の影響を受ける可能性が高い。ただ、実勢値よりやや保守的な前提であり、足元の円高一服は支援材料となりそうだ。なお、18年3月期営業利益は従来予想の480億円(前期比4.3%減)をやや上回ったようだ。19年3月期営業利益の市場コンセンサスは500億円弱となっており、今回の報道内容はこうした市場の想定を大きく上回るものとなっている。決算発表の本格化を前に好業績銘柄が物色されやすくなるなか、同社にも業績回復を見込んだ買いが入りそうだ。


■前場の注目材料

・1ドル107円70-80銭
・米原油先物は上昇(68.40、+0.07)
・米NY連銀、第2四半期の経済成長率見通しを上方修正
・日銀が大規模緩和継続
・好業績銘柄に買い

・三井E&SHD<7003>、廃炉ロボ開発、耐放射線性2倍、センサーなしで制御
・日野自<7205>、車両トラブル迅速対応、ICTサービス開始


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間1年超5年以下)(日本銀行)

<海外>
・特になし



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~決算を手掛かりとした個別物色へ