10日の日経平均は続伸。116.06円高の21794.32円(出来高概算14億6000万株)で取引を終えた。9日の米国市場は上昇したが、トランプ政権に対する政権運営リスクやシリア情勢への警戒等もあり、小幅に反落して始まった。しかし、その後は前日終値を挟んでの膠着が続くなか、中国の習近平国家主席が同日の演説で、米国への具体的な対抗措置に言及しなかったことから、米中貿易摩擦への懸念が和らぐ格好となり、先物主導による断続的な資金流入によって、日経平均は一時21933.99円まで上げ幅を広げた。ただ、後場に入ると急ピッチの上昇に対する利益確定の流れのほか、シリア情勢への警戒から21800円を挟んでの膠着が続いた。

グローベックスのNYダウ先物が一時300ドルを超える上昇をみせたこともあり、今晩の米国株高を先取りする流れとなったようだ。前場半ばからの急ピッチの上昇により、ショートカバーも誘う格好となったとみられる。インデックス売買による影響が大きいとはいえ、ファナック<6954>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>、信越化<4063>、日東電工<6988>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株に自律反発の動きがみられている。内需から外需へのリバランスが進むようだと、日経平均の押し上げ要因につながるだろう。

また、米国でも本格化する決算を前にハイテク株への見直す動きがみられている。本日はフェイスブックのザッカーバーグCEOの議会証言が行われるため、あく抜けの流れともなれば、日本株市場へもポジティブに作用しよう。なお、シリア情勢のほか、国内の政治リスクに対する警戒は上値の重しとなる。(村瀬智一)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 フェイスブック議会証言でハイテクのあく抜け期待も【クロージング】