3月19日に開催されたアイスタディ<2345>の株主総会にて、同社の小山田代表が事業説明会を行いました。同社は2017年、売上を3.9億円から7.5億円まで伸長させました。事業内容は、下記の4点です。

■事業内容
(1)ラーニングシステム事業(LMS)
eラーニングや社員のスキル・資格取得状況の管理を行うシステムの開発及び販売を行っています。いったん開発すると、原価が非常に低くて利益率の高い商材になります。主要な顧客としては、金融業界が非常に多く、中でもメガバンク4行は同社のLMSで行員の教育を実施しています。

(2)研修コンテンツ事業
Oracle、IBMなどベンダー認定の研修事業と、教育コンテンツの販売やカスタムコンテンツの制作・配信を行っています。

(3)ビジネスビデオ事業
法人向けビデオソリューション「Qumu」の販売をしています。これは、企業内で使用される動画を簡単に作成し配信できる、ビジネスで使えるオンデマンド・配信サービスです。ビデオファイルの作成やグループごとの視聴制限、社内ポータルとの連携、どれくらい動画が見られているかといった効果測定もでき、国内でも富士通<6702>やIIJ<3774>などが早くから導入しています。また、リアルタイムコミュニケーションツールのSDK(ソフトウェア開発に必要な文書やツールのパッケージキット)である「Agora.io」を販売しています。一般的な動画配信とは異なるプロトコルのため、超低遅延を実現しており、かつ安定的な接続にてビデオ通話やライブ配信を行うことができます。

(4)イベントサービス事業
2017年6月より、同社は動画収録と配信スタジオを持つスタジオ・オクトを活用し、2017年12月期は年間2,000回を超える映像配信を行いました。

以下に、同事業説明会の内容をまとめました。

■2017年12月の決算
2017年12月期の決算ハイライトとしては、ブイキューブ<3681>との資本提携後、最高の売上である7億5,500万(前年比41%増)を達成したこと。そして、営業利益で4,700万円(前年比6,500万円増)と、黒字化も達成したことです。2017年12月より行っている「第2の創業期」の成長戦略が寄与しました。第2の創業期の成長エンジンは3点あります。1点目はLMS事業です。これはマーケティング、営業活動等の強化によりプラスに転じています。2点目はビジネスビデオ事業です。これはQumu、Agoraを昨年より新規に展開しています。特にQumuでは、昨年4月には6社であった顧客数が28社まで増加し、ストック売上に寄与しています。3点目はイベントサービスの事業です。今後、稼働率をさらに高めていくことを同社の課題としています。

同社の業績の先を見る上で1つのKPIとなるのが、ストックの受注残高です。LMS、Qumu、Agoraそれぞれにストックの売上があり、順調に増えています。2017年1月時点で1.8億円だったストックの受注残高が、年換算で、昨年末の時点で2.8億円まで増加しています。今後もストックの売上の積み増しに注力していくとのことです。

■2018年度の業績見通し
2018年度の見通しは、売上で10.5億円(前期比40%増)、営業利益で1.5億円(前期比3.2倍)を見込んでいます。なお、成長部分としては、昨年スタートした第2の創業期の計画をそのまま継続で成長させる考えのため、決して新たなチャレンジを多く見込んでいるのではなく、確実にこなしていける数字だと考えているようです。

■次なる成長に向けた戦略取り組み
第2の創業期の成長戦略からの更なる成長については、「高度IT人材の不足」に対し、人材を提供する事業を展開する方針です。高度IT人材が2020年で約30万人不足し、2030年で59万人不足するといわれており、ここに大きい市場があると同社は考えています。そこでまず、同社のLMS、学習コンテンツ、研修及びそれを使った顧客に、企業の技術者募集情報を提供するとのことです。それに対し応募した人に、技術の学習コースを提供し勉強してもらい、スキル認定を行います。最終的にはその受講生を同社の顧客企業に有料で人材紹介をするという流れになります。市場規模は、同社が今まで取り組んできた市場の中では圧倒的に大きく、2020年度6,500億円の市場、2030年は2兆円を超える、非常に大きい市場となるだろうと話しています。

当面は、第2の創業期の成長戦略により数字を作り、さらにそれを加速させるのが人材創出業だと同社は考えています。

フィスコマーケットレポーター 高井ひろえ




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情報提供元: FISCO
記事名:「 アイスタディ事業説明会~着実な戦略と新事業で更なる成長へ