16日の日経平均は反落。127.44円安の21676.51円(出来高概算13億8000万株)で取引を終えた。NYダウの上昇の流れから、やや買い先行の展開から始まった。しかし、ナスダックやSOX指数は小安く、この影響からハイテク株の弱さが重石となった。また、円相場が再び1ドル105円台の円高に振れて推移していることも手掛けづらくさせている。寄付き後早い段階で下げに転じると、25日線を支持線にこう着感の強い相場展開が続いた。後場に入ると一時21600円台前半まで下げる場面もみられたが、大引けにかけて下げ渋る展開となり、25日線の攻防が続いた。

米中貿易摩擦への警戒や森友スキャンダルによる国内政治リスクへの警戒感から積極的な参加者は限られており、先物主導のインデックス売買に振らされる状況。また、週末要因もあって足元で強い値動きが続いていた中小型株には、ポジション圧縮の流れが散見された。

来週は連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利であるFF金利誘導目標を引き上げる見込みであり、2018年の利上げ見通しを引き上げるかどうかが注目されよう。また、来週はイングランド銀行(英中銀)、NZ中銀のほか、フィリピン中銀、台湾中銀、インドネシア中銀などが政策金利を発表する。各国の金融政策の行方などに関心が集まろう。

もっとも、米中通商問題の行方や森友スキャンダルによる国内政治リスクへの警戒感は根強く、引き続き積極的な売買は手控えられることになりそうだ。祝日を挟むこともあり、商いも低水準になろう。(村瀬智一)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 米利上げ見通しに関心集まる【クロージング】