5日の日経平均は4営業日続落。139.55円安の21042.09円(出来高概算15億1000万株)で取引を終えた。トランプ米大統領による保護主義政策への警戒感から売り優勢の相場展開となるなか、一時20937.26円まで下げ幅を広げており、VIXショックで下落した2月半ばに付けた安値を下回る局面もみられた。ただ、下へも加速せず、ダブル・ボトム形成への思惑や200日線などの支持線が位置しており、その後は21000円を挟んでの狭いレンジ取引が続いた。

セクターではその他製品、非鉄金属、海運、不動産、鉄鋼、金属製品、精密機器が軟調。一方で、ゴム製品、食料品、陸運、小売、情報通信、医薬品が小じっかりだった。指数インパクトの大きいところでは、ファナック<6954>、京セラ<6971>、東エレク<8035>、ソフトバンクG<9984>が重しとなった。一方でファーストリテ<9983>が下支え。

日経平均は支持線レベルでの下げ渋る流れとなったが、それ以上に中小型株の利益確定の流れが強まっており、日経平均の下落以上にセンチメント悪化につながりそうである。利食いの範囲内ではあるが、一気に支持線レベルまで下げてきている銘柄等も目立っており、押し目を狙った動きも神経質にさせそうである。

まずはトランプ米大統領の新関税措置が引き続き市場の混乱要因になることが警戒されるなか、米国市場の落ち着きを見極めたいところである。VIXショックへの再燃なども意識されやすいほか、週末には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)も控えている。短期筋の売り仕掛けの動きには注意しておきたい。(村瀬 智一)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 短期筋の売り仕掛けの動きには注意しておきたい【クロージング】