■NY株式:米国株は下落、長期金利上昇への懸念が再燃

7日の米国株式相場は下落。ダウ平均は19.42ドル安の24893.35、ナスダックは63.90ポイント安の7051.98で取引を終了した。連日の荒い値動きが一服し、買い戻しが先行。その後、米上院指導部が軍事費などの財政支出を大幅に増加させた2年にわたる予算案に合意したことで長期金利が再び上昇した。投資家心理の悪化を受けて上げ幅を縮小、その後は小動きとなるも引けにかけて下落した。セクター別では、耐久消費財・アパレルや自動車・自動車部品が上昇する一方でエネルギーやソフトウェア・サービスが下落した。

写真共有アプリを手掛けるスナップ(SNAP)は売上高が予想を上振れたほか、1日当たりのアクティブユーザー数(DAU)が前年同期比で大幅増加となり、40%超の急騰。カジノ・ホテル運営のウィン・リゾーツ(WYNN)は、創業者でもあるスティーブ・ウィン氏が、複数の女性に対するセクシャルハラスメントを受けて、CEO及び会長職から辞任し、堅調推移。一方で、ファストフードのチポトレ・メキシカン・グリル(CMG)は来客数の回復が遅く、弱気な18年度の既存店売上高の成長見通しが嫌気され、大幅下落。原油相場の下落でチェサピーク・エナジー(CHK)や石油のマラソン・オイル(MRO)などエネルギー銘柄が軟調推移となった。

週初に発生した世界的な株式市場の混乱について、ニューヨーク連銀総裁は景気見通しに影響を与えるものではないとの認識を示したほか、ダラス連銀総裁も健全な株価調整との見方を示しており、FRBによる利上げ継続方針の変更はなさそうだ。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:米利上げ軌道再確認でドル買い強まる

7日のニューヨーク外為市場でドル・円は、109円12銭から109円70銭まで上昇し、109円34銭で引けた。NY連銀のダドリー総裁は「最近の株式市場の下落による経済見通しへの影響は何もない」との考えを示したほか、エバンス・シカゴ連銀総裁がインフレ圧力に言及したため、米利上げ軌道は維持されるとの見方が広がり、ドル買いが再燃。米上院超党派が2年間の予算案で合意したことや、米10年債入札が低調に終わったため、米債利回りが一段と上昇し、さらなるドル買いに拍車をかけた。

ユーロ・ドルは、1.2346ドルから1.2246ドルまで下落し、1.2264ドルで引けた。欧米金利差の拡大観測によるユーロ売りが再燃。ユーロ・円は、134円91銭から133円82銭まで下落。ポンド・ドルは、1.3938ドルから1.3849ドルまで下落した。ドル・スイスは、0.9401フランから0.9455フランまで上昇した。


■NY原油:大幅続落で61.79ドル、ドル高やガソリン在庫の増加を嫌気

NY原油先物3月限は大幅続落(NYMEX原油3月限終値:61.79 ↓1.60)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比−1.60ドルの61.79ドルで取引を終えた。一時61.25ドルまで下落した。原油、ガソリン在庫の増加、米長期金利の上昇、主要通貨に対するドル高を意識して原油先物の上値は一段と重くなった。米国株の不安定な動きも売り材料となったようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  31.25ドル +0.05ドル(+0.16%)
モルガン・スタンレー(MS) 54.55ドル +0.22ドル(+0.40%)
ゴールドマン・サックス(GS)257.10ドル -1.44ドル(-0.56%)
インテル(INTC)      45.68ドル +0.77ル(+1.71%)
アップル(AAPL)      159.54ドル -3.49ドル(-2.14%)
アルファベット(GOOG)   1048.58ドル -32.02ドル(-2.96%)
フェイスブック(FB)    180.18ドル -5.13ドル(-2.77%)
キャタピラー(CAT)     154.34ドル -2.07ドル(-1.32%)
アルコア(AA)       47.70ドル -1.73ドル(-3.50%)
ウォルマート(WMT)     102.85ドル +1.95ドル(+1.93%)
スプリント(S)       5.51ドル +0.41ドル(+8.04%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 7日の米国市場ダイジェスト:NYダウは19ドル安、長期金利上昇への懸念が再燃