12日の日経平均は3日続落。56.61円安の23653.82円(出来高概算16億9000万株)で取引を終えた。11日の米国市場では、税制改革による企業業績への好影響が未だに十分株価に織り込まれていないとの見方から終日堅調推移となった。主要指数は揃って最高値を更新し、シカゴ日経225先物は大阪比135円高の23785円となる中、これにサヤ寄せする格好から、買い先行で始まった。しかし、買い一巡後は円高等が重しとなり、利益確定の流れが優勢となり、日経平均は小幅ながらもマイナス圏での推移が続いた。

ファーストリテ<9983>、ファナック<6954>が日経平均を下支えするものの、ソフトバンクG<9984>、ユニファミマ<8028>、京セラ<6971>、KDDI<9433>、日東電<6988>などが重しとなった。セクターでは鉄鋼、機械、その他製品、その他金融、ゴム製品、非鉄金属がしっかり。半面、電力ガス、倉庫運輸、情報通信、食料品、精密機器、医薬品、パルプ紙の弱さが目立った。

日経平均は年初急騰の反動による調整が続いているが、米国ではJPモルガンなど金融機関の決算を控えているほか、日本でも次第に決算が増えてくることもあり、個別の業績を手がかりとした物色に向かいやすいだろう。もっとも1月1週の投資主体別売買動向では海外投資家が現物を買い越している。利食いを交えながらも先高観の強い相場展開は続きそうである。また、中国の2017年の貿易総額は前年比11.4%増の4兆1045億ドル(約457兆円)となり、3年ぶりに前年水準を上回っている。中国関連等への関心もあつまりやすいだろう。(村瀬智一)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 米金融機関の決算に注目、中国関連に関心も【クロージング】