麻生太郎財務・金融相は12日午前の閣議後の記者会見において、「(仮想通貨を)何でもかんでも規制すればいいとは思わない」と語ったと伝わっている。また、「利用者保護とイノベーションのバランスを注意しながらやっていかなければいけない」とコメントしたようだ。

足元の仮想通貨全般の下落の背景となった、朴相基(パク・サンギ)法相の発言(仮想通貨の取引禁止)について、韓国大統領府は「最終決定したものではない」との見解を示している。しかし、韓国の動向は不透明であり、引き続き状況を注視する必要がある。

フロンティア市場(新興国の中でも規模が小さく、最も発展途上にある国を指す)では、銀行や国自体を信用できないという背景から、仮想通貨への需要が生じる。一方で大国(グレートパワー)ではイノベーションの喚起や経済活動の促進などの観点からも、健全に市場が発展していくように適切な規制を検討するような動きが主流となりやすいだろう(もちろん特殊な経済体制の国はこの限りではない)。

ここで注意したいのが、自国通貨への信頼度が相対的に低い中堅国(ミドルパワー)と呼ばれるような国々ほど、仮想通貨の全面禁止といった極端な方向に動く可能性があるという点だ。

例えば今回の韓国についてみてみれば、同国は過去にアジア通貨危機の際に外貨が枯渇し、IMFから救済を受けたという経緯がある。韓国銀行(中央銀行)が2017年12月に発表した11月末時点の外貨準備高(為替相場を安定させる目的で、各国の通貨当局が為替市場へ介入するために保有している資産の額)は3872億5000万ドル(約43兆7167億円)となっている。これ自体は過去最高水準ではあるものの、2017年9月以降はほぼ減少している状態にある。昨年より急激に仮想通貨の取引量が増加した同国が規制に踏み込む理由は、資本流出への懸念という側面も存在する可能性がある。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 麻生財務相「何でもかんでも規制すればいいとは思わない」【フィスコ・ビットコインニュース】